センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
6話 五大家。
6話 五大家。
「かかってこい。私に勝てたら開放してやる」
「……勝てたら開放してやる、だと? ふざけたことをぬかしやがって。今からお前らは俺に殺されるんだよ。男は徹底的に痛めつけて殺す。そこの女二人は、適当に犯したあと、性奴隷として売り払う。シロアリに手を出した罰の重さ……思い知れ」
そう言って、ガタラは、自身のオーラを開放した。
十分に魔力を練り上げ、
そして、
「死ねや、バカがぁ!」
バロールに殴り掛かった。
――ガタラは、この世界において『かなり強い部類』に入る。
シロアリは実力主義の超大手武闘派ヤクザ。
第一アルファのヤクザのように『金を集めるのが得意なだけのザコ』が成り上がれるヤワな組織ではない。
ガタラは『血で血を洗う裏社会』で幹部にまで駆け上がった強者。
狂気と腕力だけがモノを言う地獄で生き残ってきたスジ者。
そんなガタラだが、
「……ぇ……」
「どうした? 『まずは様子見から』ってパターンか? そういうのいいから、最初から気合を入れて殴り掛かってこい」
様子見などしていない。
ガタラは、今、全力でバロールの顔面を殴りつけた。
『一撃で決めるつもり』の『まっすぐな全力』だった。
オーラと魔力を全力で練り上げて、
きっちり、しっかりと、拳を突き出した。
しかし、バロールはビクともしなかった。
(こ、この猿顔……ま、まさか……『代表』級……)
全力で殴ってもビクともしないバロールの姿に、
ガタラは、シロアリの代表『ゴミス』を重ね合わせた。
ゴミスはケタ違いに強く、ガタラが何をしても相手にならなかった。
圧倒的なゴミスの力にほれ込み、
ゴミスの力になりたいと願い、これまで、遮二無二頑張ってきた。
そのゴミスに匹敵するかもしれない強者。
そんなバケモノを前にして、
だからこそ、ガタラは冷静に、
(……こんな猿顔……『裏の世界』では見たことがねぇ……)
目の前にいるバケモノが『誰』なのかを『正確』に見極めようとする。
ガタラは、シロアリの幹部だけあって、
裏での顔はそれなりに広い。
『あるていど』以上に、強者の噂は耳にしている。
ガタラは、生まれてから一度も『エリアA』の外に出たことはないが、
『裏の上層部』で生きていれば、イヤでも『世界の情報』は耳に入ってくる。
※ エリア外に出るのが禁止というわけではないが、
各エリアには、必ず、そのエリアを縄張りにしている組織がある。
『荒し扱い』されて面倒なことになるのを嫌う構成員は、
基本的に、外には出ない。
ガタラは間違いなく情報通の部類。
だが、こんなサル顔の噂は一度も聞いたことがない。
(となると、おそらくは『五大家の類縁』……)
五大家。
それは、すなわち、雲の上。
各エリアを『完全支配』している五つの巨大グループ。
この世界において『その存在を知らぬ者』は絶対にいないが、
『直接会ったことがある者』はめったにいない、真なる雲の上の世界。
でかいニュースで名前を見るか、軽い噂をチョロっと聞く事くらいしか縁がない別次元の相手。
(……『五大家の者』が相手となれば、俺の力じゃ、どうしようもねぇ……)
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