センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
4話 シロアリのガタラ。
4話 シロアリのガタラ。
――今回、九華の面々が、平熱マンから与えられているミッションは、
『この世界のアンダーワールドから情報を得る事』。
最重要メインミッションはもちろん『神帝陛下の盾』だが、
同時進行のサブミッションは、脅威のサーチ。
『神に害を及ぼす者が近づいてきた』と分かった瞬間に、『その時点におけるその他のミッション全て』を完全放棄して、盾になることは絶対的前提。
その前提を踏まえた上で、
ジャミたちは、サブミッション的に、
この世界のアンダーワールドを探っている。
まず、目をつけたのは、この世界における二大犯罪者集団の片割れ『シロアリ』。
エリアBを拠点にしている『ゴキ(所属人数十数名の少数精鋭サイコパスチーム)』と、
エリアAを拠点にしている『シロアリ(所属人数三桁以上の大手ヤクザ集団)』。
『この世界に生きる者』で、その二つの裏組織を知らない者はいない。
カリスマ的『悪』のツートップ。
――どこがどう『最大脅威』とつながっているか不明な現状ゆえ、
『受け攻め』は極めて慎重にならざるをえない。
思案に思案を重ねた結果、
『情報集めにおける最善手』として導き出されたのが、
『社会の外側』に干渉すること。
もちろん、そこにも多大なリスクは潜んでいるのだが、
『いきなり中枢を攻める』よりは『迂遠に事を進める方がいい』という結論に至った。
ゼノリカですら、それぐらい慎重にならざるをえないほど、
この世界は、多角的に不気味だった。
ジャミたちの視線の先で、
シロアリの幹部『ガタラ』は、人気(ひとけ)のない路地裏へ入った。
入り組んだ路地裏を進んだ先に、
シロアリのアジトの一つが存在する。
すでに、あらかた準備を終えているジャミたちは、
手はず通りに周囲をかため、
そして、
(――捕縛)
「? なっ!! な、なんだ、お前ら――ぅ――」
ジャミの命令が下った直後、
バロールたちは、周囲の影より飛び出してきて、
即座に『魔法の拘束具』でガタラを拘束し、
そのままの流れで、
「――ドナドナ――」
ドナが空間魔法を生成し、
捕縛したガタラとともに、空間内に飛び込むと、
すぐに、出口を閉じて、
捕縛されて動けなくなっているガタラを、
「いてっ」
テキトーに、その辺へと放り投げる。
――ここは、体育館サイズの、少し広い亜空間。
白い壁に覆われていて、特に特別なギミック等はない。
(くっ……この拘束具……俺のオーラを抑え込んできやがる……何をしても外せる気がしねぇ……もしかして、コスモゾーン・レリックか?)
コスモゾーン・レリックではなく、センが創った究極超神器の一つ。
センエースコレクションの中だと、特に優れたアイテムでもないし、
現状は神気を纏っていないので、本来の力は発揮できないが、
それでも、十分に破格の性能を誇っている。
(……くそったれ……いっさい気配を気づかせずに、この俺を拘束するとは……こいつら、何者だ……)
拘束されているガタラは、
心の中でそうつぶやいてから、
キっと、強い視線でジャミたちを睨み、
「て、てめぇら……誰に何をしているのか、わかってんのか? 俺はシロアリの――」
「ガタラだろ。知っているから、自己紹介は不要。威勢よくスゴんでみせる必要もない」
「……ど、どういうつもりだ……俺に手をだして、ただで済むと――うぐっ!」
腹に蹴りをいれられて押し黙るガタラ。
そんなガタラに、カティが、
「凄む必要はないって言ったよね? 時間の無駄だから、こっちの質問にだけ、バカみたいに答えてくれる?」
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