センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
2話 ゼノリカならば勝てる。
2話 ゼノリカならば勝てる。
「はっはー、ほんと、この世界は実に面白いねぇ。我々のプロパティアイをも欺いてしまう謎の資質。携帯ドラゴンに対する謎の規制。洗脳・支配に対する高い耐性。そして、推定平均存在値が『80オーバー』という、『第二アルファ』をも大幅に超える驚異的な世界スペックの高さ。さすが、『真・第一アルファ』の冠を有するだけあるといったところ。実に興味深いねぇ」
※ 基本、平均存在値の高さは、そのまま『その世界における上限の高さ』に直結する。
平均存在値50前後の『第二アルファ最強』が『1000』を超えているゾメガ。
センと出会い、破格に成長する前から、ゾメガは800を超えていた。
その事実と照らし合わせて考えると、
この世界の『上位者』は、おそらく、のきなみ『1000クラス』。
事実、すでに、主は『1000クラス』と交戦したという。
ちなみに、九華の面々は『神化』の会得によって最大出力が大幅に上昇したが、
基礎存在値自体は、そこまで上がっていない。
『原初の世界到達』以降、セン印の訓練所で鍛錬を積むようになったので、
だいぶパワーアップはしているが、
それでも、1000オーバーには全く達しておらず、
バロールの基礎存在値が現在700ちょっとで、
ジャミの基礎存在値が800ちょっと。
もし、『1000クラス』の『複数パーティ』が出てきたら、
九華だけでは対処しきれない。
と、そこで、キセルをふかしている妖艶な美女――エキドナール・ドナが、
「確かに、この世界の異常性は驚異……しかし、ゼノリカが負けるとは到底思えん」
『序列』で言えば最下位のドナ――だが、彼女も一応は九華であり、なにより『ゼノリカに仕えてきた期間』で言えばこの中で最長なので、ドナがジャミたちに敬語は使うことはない。
バロールが、
「ゼノリカが負けるなんて誰も思っちゃいねぇ。この『異常世界』なら『私たちよりも強い敵』は存在するだろう。そして、これから『そういう連中』と私たちが死闘を演じることになる可能性は極めて高い。もしかしたら、私たちの誰かが殺されるかもしれない。それは否定しねぇ」
その言葉に続けて、カティが、
「だけれど、神帝陛下だけはどうしようもないわ。『私の主』はステージが違いすぎるもの」
バロールの『お前だけの主じゃねぇけどな』という一言をシカトして、
カティは続ける。
「――『神帝陛下さえ生きていればゼノリカの勝ち』って前提がある以上、どう転んでも『ゼノリカの敗北』はありえない」
センエースさえ生きていればゼノリカの勝利。
その『視点』は、平熱マンだけの偏愛ではなく、
センエースを知る者全員の共通認識。
カティの発言に補足するように、
ジャミが、
「問題なのは『神帝陛下が害される可能性がある』ということ。その一点につきる」
きわめて冷静に、
しかし、その奥には、少々歪んだ熱を込めて、
「存在値1000が上限である以上『最果ての向こう側におわす神帝陛下』であっても『かすり傷を負う可能性』はゼロではない。もちろん、神帝陛下の強さは次元が違うから、かすり傷を負う可能性すら天文学的な低確率……しかし、0ではない以上、我々が盾になってしかるべきだ」
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