センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
41話 ボクは届いた。
41話 ボクは届いた。
「師よ……あなた様のお言葉は、いつも、ボクを開いてくれる。100万年、必死になって積んできて、しかし届かなかった最後の領域……どうしても『届かなった世界』に……今のボクは……届いている……あなた様の、果て無き輝きが、ボクの背中を押してくれたから。――だから、これからも、ボクは前に進んでいける……偉大なる師とともに……永久(とわ)に……」
平熱マンの全身が、鋭いオーラに包み込まれた。
研ぎ澄まされている。
魔力も充満していく。
――平熱マンは目覚めた。
「……まいります……」
そう言って、平は飛び出した。
空間を駆け抜けて、
センの懐にダイブ。
――無詠唱で『召喚した剣』で嵐をおこす乱舞。
研ぎ澄まされた一手。
剣技の最果て。
恐ろしく美しい神の剣。
けれど、
「ん……なんというか……」
センは、平の剣嵐を片手でいなすと、
そのまま、豪速のバックステップで平と距離を取り、
「思ったほどではないな……『お前ほどの天才』が『100万年』も積めば、もっと大きく輝くと思っていたが……『想定していた範囲』の『底辺』を下回っている……」
そう評して、
直後、
「お前、ソウルゲートの中で昼寝でもしていたのか?」
ビリっと、空気が引き締まった。
センは、決して『甘い親』ではない。
『素晴らしい結果』を出せば、もちろんほめたたえるが、
しかし、
――『やればできるのにサボった子』に対しては態度が苛烈になる。
ビリビリとした空気感の中、
平は、
「師よ……今の剣技が『1000年を積んで得たもの』だとしたら、評価のほどは、どうなりますでしょうか?」
「……1000年で達したのであれば、『想定の範囲内』の『上限いっぱい』だ。よく頑張ったと褒めていただろう。しかし、お前がソウルゲートで過ごした時間は1000年ではなく100万年だ」
「はい。ですので、ここからは『99万9000年を積んで得たもの』をお見せいたします」
「……ほう」
そこで、平は、
『自分自身の最奥』へとアクセスして、
「わかる……もうボクは、届いている……」
グっと奥歯をかみしめて、
「ボクは……この上なく尊き神の弟子……不相応にも、偉大なる神に愛していただけた幸運なる者……」
言葉が結集していく。
言葉は覚悟となり、そして象(かたち)になる。
全ての『昇華された覚悟』を背負った平は、
その想いを込めて、
――叫ぶ。
「 プライマル!!
プラチナァァ!!
スペシャルッッ!!」
センは、その様子を黙ってみていた。
沈黙と驚嘆の中でセンは、
(……マジか……『限界超えの可能性』が開くとは、マジで驚いた……しかし、今の平にプラプラが一つ追加されたところで、たかが知れている)
などと考えているセンの向こうで、
平は、かみしめるように、『自分の両手』を見つめていた。
平に開眼したのは、
究極の果てにあるスペシャル。
――『史上究極の弟子(勇者)平熱マン』――
その効果は……
「師よ、確認いたします」
「あん?」
――『かすり傷の一つ』でもつけられたら、お前の勝ち。
お前が勝ったら、『お前のいう事』を黙って聞いてやる――
「間違いございませんね?」
「お前が確認すべきは、お前が負けた時の条件だけだ。お前が勝った時の条件は確認する必要がない。ありえないから」
「……はたして、どうでしょうか」
「勝てんぜ、お前は」
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