センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
40話 リラ・リラ・ゼノリカ。
40話 リラ・リラ・ゼノリカ。
(200億……本当に積まれたのか……ぃ、いや、コトはそれどころじゃない……『慣れてきた後半は、1000億にすればよかったと後悔していた』だって? なにを言っているんだ……こ、この御方は……本当に……な、なにを……言っているんだ……)
平が混乱している間も、
センはとうとうと、
「孤独を愛しているなんて言っていたくせに、お前らに会えない寂しさで、毎日のように泣いていたんだ。みっともない話だぜ」
センの言葉は、いちいち『平の心』を包み込む。
200億年というインパクト。
『お前らに会えない寂しさで、毎日のように泣いていた』という言葉も、
純粋に、平の心を震わせた。
『愛されているのだ』という実感。
『本当に、とてつもない御方だ』という再認識。
そんな『とてつもない御方に愛されている』という事実に対する爆発的な狂喜。
そして『なんで200億もたえることができるんだ』という純粋な疑問。
すべてがないまぜになって、
平の中で膨れ上がって、暴走して、弾けて、
整うことなく、あっちこっちに散乱して、
「師よ……」
あまたの感情が、なんとか『一つ』に統一された時、
平の中で、『第何次目』になるかわからない革命が起きた。
平は、胸に手をあてて、
熱い涙をこぼしながら、
「……リラ・リラ・ゼノリカ……」
あふれた想いを口にする。
所詮はただの言葉。
本来は何の意味もない言葉。
『中学時代のセン』が思い付きでノートに書いただけの、しょうもない造語。
しかし、生まれたキッカケなど、どうでもいい。
というか『キッカケどうこう』を言い出したら『言葉』なんてものは、
すべて、どこかの誰かが勝手に決めた『意味のない記号』でしかない。
『意味がある言葉』なんて最初から一つも存在しない。
意味がどうかとか、中身がどうかとか、
そんなことはどうでもいいんだ。
本当に大事なことは、
『その言葉が何を背負っている』かと、
『どういう想いで口にするか』の二つだけ。
「この上なく尊き師よ……いと眩しき、我が父、我が王、我が神よ……」
非常に重たい呼びかけ。
平は、センに『全て』を求めている。
普通ならば、背負いきれるものではないが、
しかし、センは、
「なんだ、平」
迷わず受け止めて、そう言った。
センが、『ゼノリカに属する者たち』の『親』を自称しているのは、
決して『安いままごと』ではないという証。
ちょっとした『父親気どり』などではなく、
『父親が果たすべき義務は一つ残らず全うしてやる』という狂気の覚悟。
センの覚悟を改めて再認識した平熱マンは、
また涙を流してから、
「その『果て無く尊き御身』……ボクが、この命にかえても、お守りいたします」
そう言うと、
平は『センに否定の言葉を口にさせる』よりもはやく、
胸に当てていた手をグっと握りしめ、
「師よ……あなた様のお言葉は、いつも、ボクを開いてくれる。100万年、必死になって積んできて、しかし届かなかった最後の領域……どうしても『届かなった世界』に……今のボクは……届いている……あなた様の、果て無き輝きが、ボクの背中を押してくれたから。――だから、これからも、ボクは前に進んでいける……偉大なる師とともに……永久(とわ)に……」
平熱マンの全身が、鋭いオーラに包み込まれた。
研ぎ澄まされている。
魔力も充満していく。
――平熱マンは目覚めた。
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