センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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17話 コスモゾーン・レリック。


 17話 コスモゾーン・レリック。

「――異次元砲ぉおおおおおおおお!!」
「ぶぅほぉおおおおおおっっっ!!」


 極大の一撃を受け、ボロ雑巾のようになっているウムルに、
 ――センは、笑顔で問いかける。


「さあ、もう一度、勇気をもって、ほざいてみようじゃないか。お前は『この俺の宝』を、いったいどうしたいんだっけ? んー?」

「ごほ……がは……」

 数秒待つと、
 ウムルの口が、少しだけ回復した。
 自動回復力が相当に高いらしく、
 10秒もたてば、『捨てたあとのボロ雑巾』から『ボロ雑巾になる直前の雑巾』にまで回復した。



「……わ、私に勝てるのは……」


 これだけしっかりと『狂気の拷問』を受けたというのに、
 ウムルは、いっさい臆することなく、
 まっすぐに、センエースをにらんで、

「私に勝てるのは、ゼノリカ内だと……き、貴様だけだ……」

 その胆力に、少しだけ『あっぱれ』という感情を抱いたものの、
 しかし、センは『ポジティブに属する感情』の一切を排除した表情で、
 徹底的にウムルを見下し、

「そうだな。シューリでも、お前には勝てないだろう。お前は強い。だが、俺よりは弱い。俺よりも弱いなら、なんの脅威でもない。――まあ、仮に、てめぇが俺より強かったとしても、俺は俺より強い程度のザコには負けないから、結局のところ、脅威たりえないんだがな」

 身も蓋もないことを口にするセンに、
 ウムルは、たんたんと、

「……『我が王』の『配下』は……私だけではない……私クラスの実力者は、他にも、何体か存在する……」

「ほう。そいつは鬱陶しいな。けれど、その事実に対して抱いた感情は『面倒くさい』以外にないな。お前程度なら、何体いようが、確実に叩き潰せる。容易でないことは事実だが、脅威でもない」




「私『たち』をナメるなよ、センエース。ハッキリ言っておくが……私一人でも……『コスモゾーン・レリック』を使えば……貴様を止めるくらいは可能なのだ……」




「また知らん単語が出てきたな。当然説明してくれるんだよな?」

「究極のアイテム『コスモゾーン・レリック』……この世界の各地に散らばっているソレが、貴様の行く手を阻む最大の障壁にして、時空の門を開く唯一のカギ……」

「まんまRPGだな。俺、そういうお使いゲーが、マジで死ぬほど大嫌いなんだよ。『~~を集めろ』『~~に行け』……ヘドがでる。というわけで、システムを変えてくれ。ここはひとつ、ドンと仕様変更し、『バトルロワイアル方式』でいこう。こっちの参加者は俺一人でいい。お前らは、『全員』でかかってきていい。勝てたら、ラスボスとご対面。それがいい。それでいこう」

 自分勝手な提案は、
 当然のように却下のようで、
 ウムルは、センのワガママに一切反応を見せず、

「この世界は『真・第一アルファ』……『神界の深層』すら霞む『修羅の世界』……そう簡単に攻略できると思うなよ。ゼノリカを守りたければ、死ぬ気で挑め」

「……」

「今日の私はあくまでもチュートリアル。そして、すでに仕事は終わった。というわけで……さらばだ。月光の龍神」

 最後にそう言うと、
 ウムルの体がスゥっと消えていく。

「おい、こら、なに逃げようとしてんだ、許すか、ぼけ――霊環呪縛ランク30――宵闇牢獄ランク30――」

 呪縛系の超高位技を乱用し、
 逃亡を阻止しようと試みるが、



「……おいおい、『御霊(みたま)影殺し』も通らねぇのか…………ちっ」



 何をしても繋ぎとめることができなかった。
 干渉できない力で逃げられた――その事実が、またセンの怒りに触れる。



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