センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

14話 虚空のアリア・ギアス。


 14話 虚空のアリア・ギアス。

「お前がいかに『特別な資質』を有していようと『虚空のアリア・ギアス』には逆らえない」

「虚空のアリア・ギアスねぇ……『存在値1000以上』は『ちょっとゴメンなさい』の世界……なんというか、『扉の向こう側』のくせに、なんともこじんまりしているねぇ……1京とか1垓とかの超次世界にたどり着くための『果て無き闘い』の始まりを期待したんだが……うーむ……」

 などと言いながら、心の中で、

(1000が限度か……それを実際『俺に強制させている』という事実は、『そのアリア・ギアスをこの世界に積んだ誰かさん』の力が『今の俺を超えている可能性がある』ってことに他ならない。……そいつが高潔な神様なら、ぜひとも、魂の手合わせを願いたいところだが……そいつがクズ野郎だった場合が非常に問題だな)

 『今のセン』を超えるクズなバケモノ。
 そんなものに暴れられたら、世界など、簡単に崩壊する。

(……まあ、仮に、そいつが俺より強いクズだったとしても……俺より強い程度の雑魚に俺は負けないが)

 と、センが、さらに気合を入れなおしていると、
 ウムルが続けて、

「……『お前たち』は強いが、しかし、この世界の住民も決してザコではない。『表層でのリハーサル』とは違い『九華以下のメンツだけでも楽勝』とはいかないぞ」

 などと、そんなことを言い出した。

 センは、

「ゼノリカはまきこむなよ。これは『俺の挑戦』で――」

 文句を言おうとしたが、
 しかし、ウムルは、安定のシカトで、
 まったく聞く耳など持ってくれず、



「ゼノリカの全てを駆使して挑め。そうでなければ……『我が王』には届かない」



「……」

「――『時空の門』の向こうで、我が王が待っている」

「……門? おいおい、つい、さっき、扉を開いたばかりだってのに、俺は、またどっかの扉を開けるために八方走りまわらにゃならんのか? 勘弁してくれよ。俺、そういう『お使いゲー』は大嫌いなん――」

 そんなセンの不満を、
 ウムルは当然シカトして、

「我が王からの伝言だ」

 そんな前を置いてから、
 ゆったりと息を吸い、
 厳かな態度で、



「――『時空の門』の向こうで待っている。たどり着けたなら、相手をしてやろう――」



 そこで、息を切り、

「以上だ。せいぜい励め。我が王の期待を裏切るな、舞い散る閃光センエース」

「お前の王の期待なんざ知ったこっちゃないが……とりあえず、まずは、いろいろと教えてくれや。ゼノリカを駆使しなければ届かないってのは、具体的にどういう意味だ? あと『絶望なら俺が全部引き受けるから、あいつらは巻き込まないでほしい』という俺の要望が通る可能性はどのくらいある?」

 なんとか、自分のペースにもっていこうとするセンだが、
 ウムルは、常に、風を受け流す柳のようで、


「貴様一人がいくら強くなっても、時空の門は開かない」


 『センに伝えなければいけない真理』だけを、たんたんと流していく。


「俺一人だけじゃダメって……また、えげつないことを言い出したな……」

 センは渋い顔で、

「悪いが、俺は常に孤高。『孤独ではなく、孤高なんだからね』を地でいく、ボッチのスペシャリスト。ゆえに、そっちの思惑なんか知ったこっちゃない。俺は独りでやらせてもらう」


 そこで、ウムルは、
 ニタァっと、
 粘質性のある『黒い笑顔』をして、

「最初にハッキリと言っておこう。もし、貴様が、時空の門を開くことが出来なかった、その時は……」

「なんだよ。ためるな。鬱陶しい」



「――ゼノリカの全てを犯して殺す――」


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