センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
13話 存在値1000。
13話 存在値1000。
センはブレイクダンスのような鮮やかな回転で体勢を立て直すと、
自由で高度なフェイントを入れつつ、
空間を翔(か)けまわっているウムルを、
静かな心でとらえ、
(出力的には存在値1000くらい……だが、戦闘力はかなり高い)
今は、ただの準備運動なので、
センも、相手の『流』に合わせるだけに抑えている。
(この戦闘力で、1000が最大出力ってこたぁないわな。おそらく、全力は、数十兆クラス……)
ウムルは明らかに神闘を解している。
老練で軽やかな流。
内に秘められた美しいコアオーラ。
長き時を積み重ねてきた神の輝き。
(……かるく手合わせしてみた『現時点の評価』だと……『流石にソンキーよりは弱いが、ソンキーを相手にした場合でも、場面を整えてしまえば勝ってしまう可能性はなくもない』ってところか……)
採点が終わると、
センはニィと笑い、
(さすがは扉の向こう側。『最初の草むら』から飛び出してきた『チュートリアル』が既に最強クラス。いいねぇ……最高だ……そうでなくちゃ面白くない)
心の中でそうつぶやくと、
センは、
「さて、ウォーミングアップはこのぐらいでいいだろう」
そう言いながら、首や肩を軽くまわし、
「……それじゃあ、そろそろ、あんたの最大出力を教えてもらおうか」
そう言って、
「まずは挨拶がてら、俺の方から――」
グっと腹の下に気合を込める。
スっと、両手を合わせて、心を一つにして、
「――神化――」
『神々の領域』で殴り合おうと決めて、
深く気合を入れなおしたのだが、
しかし、
(……ん? ギアが入らねぇ……いや、ギアどころか、そもそもの力も……)
『いつもならググっと沸き上がってくる力』、
それをまったく感じない。
わずかも膨れ上がることなく、
ただ、シンと静かなまま。
(……なぜだ。どうして――)
自分の状況に首をかしげるセン。
神の力は特定の場所でしか使えない。
しかし、センだけは例外。
その例外は、どこであれ変わらなかった。
なのに……
(この世界は『この俺ですら神化が使えない世界』ってことか……?)
困惑していると、
ウムルが言う。
「この『真・第一アルファ』で神の力は使えない。神化どころか、存在値1000以上の出力すら許されていない」
疑問に対する答えを得たセンは、
「……ほう」
低い声で、そう返事をした。
(1000が限度……確かに、それ以上の力は出せねぇっぽい……)
どれだけ力をこめても、
いつもの力(存在値3000)は出せなかった。
※ センの基礎存在値は、3000オーバーなのだが、
常に、3000オーバーの出力を出して生きているわけではない。
このへんは、握力に例えた場合がわかりやすく、
握力50キロの人間が、
日常生活で常に50キロの握力を出して生活しているかというと、
絶対的にそうではないわけで、
つまりは、センの存在値も、
力を使う時の基礎は3000オーバーだが、
日常生活では、当然、10~50くらいということ。
「お前がいかに『特別な資質』を有していようと『虚空のアリア・ギアス』には逆らえない」
「虚空のアリア・ギアスねぇ……」
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