センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
11話 冒険の書(仮免)。
11話 冒険の書(仮免)。
「……ま、とりあえず、ヤバそうだったら退却して準備を整えるということで……」
結局のところ『いったん、扉の向こうを覗いてみよう』ということに落ち着いた。
「そもそも、本当に『これ』で開くかどうかも微妙だし」
などと言いながら、
センは、フワリと浮遊して、
目的の鍵穴まで飛ぶと、
そこで、
「ふぅ……」
軽く深呼吸をしてから、
はやる気持ちをおさえるように、
「さぁて……なにが出るかな、何が出るかな」
言いながら、
ついに、
ようやく、
センエースは、
『禁域の扉』に、
『冒険の書』をセットする。
すると、
――冒険の書(仮免)がセットされました。
『真・第一アルファゲート』を開きます――
声が響くと、
扉がカっと光った。
強いかがやき。
その光は次第に大きくなっていって、
センエースの視界を覆いつくす。
つい、反射的にまぶたとまぶたが近づくものの、
『この何が起こるかわからない状態』で『目を閉じる』ほど、
センエースという神は愚かではない。
だから、なんとか視界は保とうとして――けれど、
(な、なんも見えねぇ……これは、光が強いとかじゃねぇ……視界を殺されているっ!)
『究極の神』が、何も感じることもできなかった。
だから『不可視』を『押し付けられている』と即座に理解。
「ぐぅ……」
視界を奪われて、
強い光に包まれて、
――数秒後……
その発光は、静かに鎮まった。
光が溶けた時、
センの視界には、
(荒野……)
赤茶色の土が広がり、
ところどころ、申し訳程度に緑が生えている、
そんな荒野に、センは、一人で立っていた。
だだっぴろいという感じではなく、周囲は、高い丘に囲まれている。
東京ドームのど真ん中に立っているところを想像すれば、
今のセンの視界的状況が少しは把握できるだろうか。
――センは、周囲を見渡すが、
(扉が消えた……)
どこにも扉の姿はなかった。
アダムもシューリもいない。
セン一人だけが、
この場に立っていた。
(……『マジで、少し覗いて帰るつもり』だったんだが……『それは許さねぇ』ってか……なかなかの覚悟を要求してくるじゃねぇか)
周囲を警戒しつつ、
『最初の一手』をどうするべきかと悩んでいると、
少し離れた場所に、
時限の亀裂ができて、
(……無色のオーラ……)
その亀裂から、
『金のヴェールをまとった男』のような『異形』が出現した。
決して人間ではないが、人間サイズの人間フォルムをしている妙なバケモノ。
その異形は、黙ったまま、ジっと、センエースを見つめていた。
そんな『謎の時間』が三秒ほど経過した時、
しびれを切らしたように、
センの、
「どうした? 歓迎してくれるんだろ? 自己紹介でもしてくれや」
その発言に対し、
謎の異形は、
たんたんと、
事務的に、
「私はウムル=ラトという」
「そうですか。私はセンエースです。はじめまして。本日はどうぞ、よろしくおねがいいたします」
センの慇懃無礼を聞いているのか聞いていないのか『さっぱりわからない無表情』のまま、
ウムルは続けて、
「私の仕事は、貴様に、たった一つの真理を教えること」
「へぇ……そうなんだ。楽な仕事だね。できれば、俺もそんな仕事に就きたかったよ」
センの軽口をシカトして、
ウムルは、
「――『舞い散る閃光センエース』。世界最強は、お前じゃない」
ハッキリとそう断言した。
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