センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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15話 究極超天使クズォテンドゥ。


 15話 究極超天使クズォテンドゥ。

「よかったな。起死回生のチャンスじゃないか。さあ、待っていてやるから、好きなだけ天に祈りをささげながら、全身全霊でガチャをひくといい」

「……くそみそナメてくださって、どうもありがとうございます……」

 渋い顔でそう言ってから、ギっと奥歯をかみしめて、

(テプが来てくれたのはいいんだが……しかし、よほどのバカ運じゃないと、この状況は覆せない……ちょっと良質な武器とか魔法とかシステムとかを積んだくらいじゃ、あのクソ野郎には勝てない……)

 心の中でつぶやきながら、

(頼む……頼むぞ……)

 ガチャルトホテプを抱き寄せて、

「マジで頼む! エゲつないチートこい! この状況をどうにか出来る力をくれぇ!!」

 ギュっと、願いを込めるように、テプの頬に唇をおしつけた。

 すると、


 ???のアリア・ギアス発動。

 ?????????????????????????????


 当然のように、またもや発動する異常事態。
 結果、当たり前のように、テプの右目が黄金に輝いた。
 そして、一度、強烈に重たい光を、カっと放つ。
 揺らめいて、ビキシィっと、世界全体にヒビが入るような音がした。

 ――ガチャルトホテプは、

「本当に、お兄さん、すごいねぇ。もう、お兄さんは、きっと、究極あたりしか引かないんだろうねぇ」

 言いながら、テプは、自身の右手を、ゴートの額に押しつける。
 そして、ゴートに力をインストールしつつ、同時に情報を流しこむ。
 その間、コンマ数秒。

「究極大当たりの内容は、『究極超天使クズォテンドゥ(アンリミテッドバージョン)』の召喚だよぉ! 究極超天使は、かなり強い召喚獣だよっ。やったねぇっ」


 力がインストールされた瞬間、
 ゴートは、『究極超天使クズォテンドゥ』の『おおよそ』を理解した。

『強大な【天使軍】を召喚し指揮する能力にたけているコマンダータイプの召喚獣。タイマン戦も強いのだが、それ以上に、天使軍を指揮させるとブッチギリ最強の天使』



 その結果を受けて、ゴートは、

「どわぁああ! 最悪だ! 召喚獣一匹じゃあ、この絶望は殺せない!」

 神の召喚獣なので、もちろん、かなり強いのだろうが、
 しかし、ゴートは、すでに、ソンキー・シャドーという最強の召喚獣を有している。
 ソンキーは、召喚獣の中で最強。
 つまり、究極超天使は、ソンキー・シャドー以下。
 今、この状況で『ソンキー・シャドーより弱い召喚獣』が一匹増えたところで、
 この絶望をどうにかできるわけがない!

「テプ、たのむ! もう一回ひかせてくれ!」

 そう懇願するが、しかし、


「ふぁ~あ……じゃあ、またねぇ」


 ゴートの言葉などガン無視して、
 テプは、そそくさと、無慈悲に帰ってしまった。

「ちょ、待っ――うわ、マジで帰りやがった! ふざけんな! よく見ろ、この状況を! 使えない召喚獣一匹じゃ、どうしようもねぇんだよ!」

 と、悲痛の叫び声を上げていると、
 そこで、

「頼むから、もう一度だけひかせてくれ! せめて、あいつがさっき使った『ソンキー・シャドーの亜種』みたいな、使える召喚獣を――いたっ!!」

 背後から後頭部をはたかれた。
 反射的に、視線を背後に向けてみると、
 そこには『背の高いマッチョで精悍な天使』が立っていて、


「誰が使えない召喚獣だ。ナメるなよ、クソガキ」


 ゆっくりと首をまわしながら、そう言った。

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