センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
14話 なんで、俺の前には、常に俺よりも強い変態が立ちふさがるんだ。
14話 なんで、俺の前には、常に俺よりも強い変態が立ちふさがるんだ。
「……ぐぅ……はっ……ごほっ……ぅ……」
なすすべもなくボコボコにされ、あっさりと崩れ落ちるゴートに、
「まあ、当然の結果だな」
そう言いながら、P型センキー・ゼロオーダーは、あくびをかみ殺す。
『今のP型センキー・ゼロオーダー』の視点では、
『今のゴート』など弱すぎて相手にならない。
あくび交じりのナメプで余裕の完封。
「……くそったれがぁ……」
自分の弱さに呆れながら、
呪うような目でP型センキー・ゼロオーダーをにらみつつ、
(なんでだ……なんで、俺の前には、常に俺よりも強い変態が立ちふさがるんだ……)
自分の運命を呪う。
いつだって、そう。
『強さ』を手に入れたと思ったら、直後にいつも、示し合わせたかのように『ゴートの強さ』を『大きく上回るバケモノ』が登場して、ゴートに絶望をつきつける。
まるで誰かが、『ゴートを絶望させるためのスケジュール』でも組んでいるかのように、毎度、毎度、休むことなく『面倒で厄介な敵』が登場する。
「くそったれ、くそったれ、くそったれ……」
自分の『不運』に対して恨みを吐き捨てながら、
頭の中では、
(どうする……どうすればいい……考えろ……どうする……)
これまでは、必死にあがいて、どうにか絶望を乗り越えてきた。
しかし、
(……か、勝てる方法なんてあるのか……こんな『完成した絶望』とでも呼ぶべきバケモノに……)
あらためて、目の前に立ちふさがるP型センキー・ゼロオーダーの威容を見て、
ゴートは心底から絶望する。
(最強の神と、究極の神が合体した……完全なる闘神……そんなもんを、俺ごときがどうにかできるのか……仮に、ここでテプが出てきてくれたとしても……一個や二個のチートでどうにかできる状況だとは思えねぇ……)
テプの限界を把握しているわけではないが、
しかし、これまでの経験から、
『テプに何ができる』のか、おおよその見当はつくようになった。
(100個くらい、一気にチートを積んでくれでもしない限り、このP型センキー・ゼロオーダーという規格外の絶望は超えられねぇ……)
などと考えていると、
まるで、その想いに呼応するかのように、
ゴートの指にはまっている指輪がカっと光った。
深い輝きが、一瞬、空間を埋め尽くす。
複数のジオメトリが連鎖して、空間の中で幻想的に織り合った。
すべての線が揺らぎながら重なって、
立体的な美しい幾何となって、それが淡いだけの光になる。
モヤモヤとした光が、瞬時にかわいらしい女の子の形になって、
そして、
「テプ0時を過ぎたよぉー」
ガチャルトホテプが出現して、
「さあ、一日一回の『ガチャルトホテプ・ガチャ』チャーンス。さあ、君は何を引けるかなぁ」
そう言ったテプを横目に、
P型センキー・ゼロオーダーが、
「よかったな。起死回生のチャンスじゃないか。さあ、今から『戦隊モノの敵役』ばりに、ジっと息を殺して、お前がチートを引くのを待っていてやるから、好きなだけ天に祈りをささげながら、全身全霊でガチャをひくといい」
「……くそみそナメてくださって、どうもありがとうございます……」
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