センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
11話 絶対に降りてやらねぇ。
11話 絶対に降りてやらねぇ。
センエースは、『センエースを折るため』に、必死になって、
「折れろ……いい加減……なんで……」
けれど、
「……どうして……」
ギュっと、握りしめた拳。
強く、強く、強く、握りしめた、その拳で、
センエースは、
「あああああああああああ!!」
自分を殴りつけた。
「うぁあああああああ!」
何度も、
何度も、
――何度も!!
だから、
「……それでも……」
センエースは、
「叫び続ける勇気を……」
前を向く。
今も、ギュウギュウと、
重たい圧力が、センエースの心を殺そうと襲いかかってきている。
「ナメんじゃねぇ……って……最後の最後の最後まで叫び続ける……そんな『頭おかしい勇気』を……この『核爆発みたいな弱さ』にも立ち向かえる……そんな『狂ったような勇気』を……」
鬼難度のタワーディフェンスみたいに、
とても対処できそうにない波状攻撃を受けながら、
しかし、
それでも、
センエースは、
「……奪い返す……絶対に……」
血の涙を流しながら、
へし折れそうになりながらも、
ギリギリのところで踏ん張りぬいた。
その、いと尊き『この上なく偉大』な『至高の魂』を抱えて、
「……シューリ……アダム……心配するな……すぐに行く……俺は絶対に折れない……俺は……必ず……」
絶対的絶望。
正しい象(かたち)すら保てない牢獄の囚人。
ほんの少しでも気を抜けば、グシャリとヘシ折れてしまう、
そんな地獄の底で、
「殺してやる……すべての理不尽を、不条理を……跡形もなくバラバラにしてやる……最後の最後まで、俺は絶対に抗い続けてやる!!」
勇気を叫び続ける。
当然の話。
諦め方なんざ、とっくの昔に忘れたから。
「――『いつまで頑張ればいい?』なんて、そんなカス以下の弱音はいらねぇ……そんな弱さに寄りかかってなんかやらねぇ!」
【どうせ死ぬのに、なんで、頑張るの?】
――その問いに、センエースは即答。
「……決まってんだろ……俺がそれを望んでいるからだ」
頑張り続ける事を、センエースは望んだ。
すると、その背中についてきた者たちが現れた。
『センエースが望んでいるから』
そのワガママな理由は、センエース(自分)を突き動かす『推動力』にとどまらず、
センエースを信じている者達を奮い立たせる『動機』にもなった。
センエースという稀代の英雄が、
薄っぺらな理性をぶっちぎって、
世界を包み込んでくれたから、
『センエース以外』の『不条理の根絶を渇望していた者達』も、
震える足に鞭を打つことができた。
『あの背中についていく』――その覚悟は、いつしか、何よりの誇りになった。
その繋がりは連鎖して、
大きくて温かな光になった。
そして、世界は変わった。
――ゼノリカ。
全てを包み込む光――
全ての不条理を殺した世界。
誰もが、全力で、『確かな明日』を信じられる世界。
不可能じゃなかったんだ。
ただの妄想に終わらなかった。
世界中の賢者連中が、『そんなものは無理だ』と嘆いている間に、
全力で絶望と向き合い続けたバカがいた。
そのバカは、どんな時でも、揺るぎないバカで在り続けた。
どんな絶望を前にしても『それでも』と抗いつづけた。
すると、
なんということでしょう。
『そんな世界は創り得ない』とモノ知り顔で謳っていた賢者共の前に、
気付けば、理想の世界が出来あがっていたのでした。
「絶対に降りてやらねぇ! 俺はまだ、ここにいる!!」
神は、まだここにいる。
この地獄で、必死にもがいている。
――だから、
――叫べるんだ。
――本物の……本気の覚悟を。
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「――(((――【【ヒーロー見参】】――)))――」
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