センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
45話 憧憬。
45話 憧憬。
(究極真奥義、か……たんなる出オチの一発ギャグかと思ったら……ずいぶんと狂ったスペックのオプションじゃねぇか……カースソルジャーなんかと同じで、直接戦闘ではなく、固有技能が強力なタイプ……)
数で有利をとっていくオーラドールタイプではなく、
完全一点特化型のカースソルジャータイプ(カースソルジャーの場合、数でも押すが)。
それが、セン仮面とエースロボ。
(どっちの攻撃もハンパなく火力が高ぇ。凶悪に性能を高めたメギド・グリムアーツと超高出力F魔法の高回転連射。搦め手やハメ手は一切排除し、純粋に火力のみを追求したクソ脳筋スタイル。アホくせぇメソッドだが、しかし、『愚直』でなければたどり着けない世界があるのも事実。間違いなく、とんでもなく厄介な奥義……それは認める……んだが、しかし、あのボケ、妙なアリア・ギアスを積みやがって……なんだ、クレヨン閃ちゃんって……ナメてんのか……)
かつて、子供だったころ、センは、日本人で知らぬ者はいない『国民的ヒーロー』が大活躍する『傑作映画』を見て、心底から『彼』にあこがれた。
震えながら、恐れながら、しかし、それでも、巨悪に立ち向かっていく彼の背中に胸を熱くした。
五歳というハンパない若さでありながら、
『世界をガチで終わらせにきた超常のバケモノたち』を相手に、
あふれんばかりの勇気と覚悟をしめしてみせたヒーロー。
その『憧憬(どうけい)』を『象(かたち)』にしたのが、
裏閃流究極『真(しん)』奥義、クレヨン閃ちゃんシリーズ。
五歳で世界を救いまくった彼のような、本物のヒーローになりたいと願って磨き上げた最高峰の超必殺技。
一見すると、しょうもない一発ギャグだが、
しかし、そのスペックに目を向けてみると、
ギャグ要素は一切ない、鬼ガチ仕様。
無数のアリア・ギアスによって極限までガン積みされたセンビーム(異次元砲)と、
無数のアリア・ギアスによって極限までガン積みされたエースパンチ(ロケット閃拳)。
その二つを高回転で常時発射し続ける殺意マックスのデストロイオプション。
「センビィイイイイイイム!!」
「ぐぅはっ!」
豪快に吐血するP型センキー。
『千本桜空羅を積んだことによる狂気の戦闘力』を武器に近距離でガンガン削ってくるセンの対応に追われ、注意力がほんのわずかに緩んだ。
――そこを狙われた。
――というか、狙わせた。
センの闘いに無駄はない。
必至になって磨き上げてきたその高みに贅肉はない。
しかして、セン仮面のセンビームが、P型センキーの背中に直撃。
そのあまりに凶悪すぎる火力は、
一瞬だが、P型センキーの意識を奪った。
「スキありじゃい、ぼけぇええええ! この俺の前で、手抜きのアニメみたいに、ボーっと突っ立ってんじゃねぇぞ、ごらぁああ!」
フラつくP型センキーの腹部に豪速の膝をブチ込んでいくセン。
「ふぶぅぇえ!!」
続けて、
上空から、
「エースパァァァァァンチ!!」
加速をつけて降り注ぐエースロボのエースパンチが、
「ぶへぇえええええええええっっっ!!」
P型センキーの脳天に直撃。
「ぐぅ……くっ!!」
うめきながら、
P型センキーは、瞬間移動で距離を取ろうとする。
しかし、そう簡単に『距離』をくれてやるほどセンエースは甘くない。
センエースも瞬間移動を使い、
P型センキーの背後にまわり、
「どうだ、P型センキー、俺が必死になって積んできた『本気の全力』は、なかなかウザってぇだろ? でも、まだ、終わりじゃないぜ。お前には、特別に、俺の上限(リミット)を見せてやる」
「ぐっ」
ダダダダダダっと『豪速の殴る蹴る』という、怒涛の追撃をいれながら、
そんな、酷く慌ただしい鉄火場で、
センは、スゥと息を吸い、
「虹を集めた虚空。玲瓏(れいろう)な蒼穹。幻想の戒光(かいこう)」
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