センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
40話 命は、喰われるために存在している。
40話 命は、喰われるために存在している。
「俺は、P型センキー。お前の精神力と、ソンキーの天才性を併せ持つ、最強の神!! その上で! 狂気の性能を誇る、ブッチギリ最強の携帯ドラゴンを所有した、完全なる王!!」
その宣言を、
「……」
センエースは黙って聞いていた。
(ナメた話だよ、実際。……俺が……俺たちが積んできたものを全部パクられて、ごちゃまぜにされて……振り回されて……)
普通にイライラしていた。
これは『許せない』とかいう、ちっぽけな感情ではない。
なんというか、
言葉にしきれない不快感。
表現しきれずに、ただイライラしているセンエースに、
P型センキーは、ボソっと、
「センエース。お前は終わった。俺が勝ち、世界は終わる。俺に喰われて、全て消える」
「……お前の最終目標は、世界を喰う事なのか?」
「ん? 言ってなかったか? ……ああ、そう言えば、言ってなかったかもな。俺の中では当たり前のことすぎて、宣言し忘れていた。悪い、悪い」
センエースは、さらに膨れ上がったイライラをグっとのみこんで、
スゥハァと、一度深呼吸をしてから、
「……なぜ、世界を喰いたい?」
そう問いかけると、
P型センキーは、
「はぁ?」
と、心底呆れたような顔をしてから、
「お前、腹が減ったこと、ないのか?」
「……」
質問に対し質問でかえされていながら、
なんの文句も抱かなかった。
それほどに明瞭で快活な解答だった。
P型センキーは、バカなガキに道理でも教えるみたいに、
「世界を喰らい、腹がいっぱいになったら、また新しい世界を創る。そして、あるていど育ったところで、また喰らう。俺は、それを……今まで、ずっと繰り返してきた。俺は、そういう存在だ」
「……っ」
「なぜ、そんな顔をする? 人間だってやっていることだろ? 畑に種をまき、育ったら収穫して、また種をまく。俺がやっていることと、何が違う?」
「……」
「少しばかり、規模は大きいが、やっていることは何も変わらない。ようするに、命とは、俺を満たすための贄なんだよ。豚は太らせてから包丁をいれるだろ? 夢も、希望も、愛も、慈しみも、すべては、ただの肥料。命を太らせるエサに過ぎない。お前たちは、時折、自分が産まれた理由について悩むが、そんなものはハッキリしている。お前らは食糧。俺に食べられるために産まれてきた。それ以上でもそれ以下でもない」
「……なるほど」
そこで、センエースは少し深く息を吸った。
ドクンと、胸の奥が熱くなる。
気づけば、イライラは消えていた。
イライラが消えた理由はいくつかあるが、一番の理由はチグハグ感。
(本音を言っているんだろうとは思うが……それだけではない気がする……なんなんだろうね、この妙な感覚は……まあ、どうでもいいが。今、この瞬間において、最優先されるべきは、俺の疑念ではなく……)
ジンと重たい熱だけが、芯の奥でチラチラと燃えている。
「ちなみに、一つ聞いておく。答えろ、P型センキー」
「なんだ? 支障がなければ答えてやる」
「お前にとって、世界が食い物だというのはわかったが……しかし『メシを食べなくても生きていける種』は存在する。それをふまえての質問だ。世界を喰わなければ、お前はどうなる?」
「さあ、知らん。俺は今まで、自分の欲望を我慢した事がないからな」
「……そうか。じゃあ、質問を変えよう。お前は、今まで、自分の欲望のために奪ってきた命の数を覚えているか? ああ、あらかじめ断っておくが、俺が今までに食べてきたパンの枚数は聞くなよ。俺のことはどうでもいいんだ」
「俺は、P型センキー。お前の精神力と、ソンキーの天才性を併せ持つ、最強の神!! その上で! 狂気の性能を誇る、ブッチギリ最強の携帯ドラゴンを所有した、完全なる王!!」
その宣言を、
「……」
センエースは黙って聞いていた。
(ナメた話だよ、実際。……俺が……俺たちが積んできたものを全部パクられて、ごちゃまぜにされて……振り回されて……)
普通にイライラしていた。
これは『許せない』とかいう、ちっぽけな感情ではない。
なんというか、
言葉にしきれない不快感。
表現しきれずに、ただイライラしているセンエースに、
P型センキーは、ボソっと、
「センエース。お前は終わった。俺が勝ち、世界は終わる。俺に喰われて、全て消える」
「……お前の最終目標は、世界を喰う事なのか?」
「ん? 言ってなかったか? ……ああ、そう言えば、言ってなかったかもな。俺の中では当たり前のことすぎて、宣言し忘れていた。悪い、悪い」
センエースは、さらに膨れ上がったイライラをグっとのみこんで、
スゥハァと、一度深呼吸をしてから、
「……なぜ、世界を喰いたい?」
そう問いかけると、
P型センキーは、
「はぁ?」
と、心底呆れたような顔をしてから、
「お前、腹が減ったこと、ないのか?」
「……」
質問に対し質問でかえされていながら、
なんの文句も抱かなかった。
それほどに明瞭で快活な解答だった。
P型センキーは、バカなガキに道理でも教えるみたいに、
「世界を喰らい、腹がいっぱいになったら、また新しい世界を創る。そして、あるていど育ったところで、また喰らう。俺は、それを……今まで、ずっと繰り返してきた。俺は、そういう存在だ」
「……っ」
「なぜ、そんな顔をする? 人間だってやっていることだろ? 畑に種をまき、育ったら収穫して、また種をまく。俺がやっていることと、何が違う?」
「……」
「少しばかり、規模は大きいが、やっていることは何も変わらない。ようするに、命とは、俺を満たすための贄なんだよ。豚は太らせてから包丁をいれるだろ? 夢も、希望も、愛も、慈しみも、すべては、ただの肥料。命を太らせるエサに過ぎない。お前たちは、時折、自分が産まれた理由について悩むが、そんなものはハッキリしている。お前らは食糧。俺に食べられるために産まれてきた。それ以上でもそれ以下でもない」
「……なるほど」
そこで、センエースは少し深く息を吸った。
ドクンと、胸の奥が熱くなる。
気づけば、イライラは消えていた。
イライラが消えた理由はいくつかあるが、一番の理由はチグハグ感。
(本音を言っているんだろうとは思うが……それだけではない気がする……なんなんだろうね、この妙な感覚は……まあ、どうでもいいが。今、この瞬間において、最優先されるべきは、俺の疑念ではなく……)
ジンと重たい熱だけが、芯の奥でチラチラと燃えている。
「ちなみに、一つ聞いておく。答えろ、P型センキー」
「なんだ? 支障がなければ答えてやる」
「お前にとって、世界が食い物だというのはわかったが……しかし『メシを食べなくても生きていける種』は存在する。それをふまえての質問だ。世界を喰わなければ、お前はどうなる?」
「さあ、知らん。俺は今まで、自分の欲望を我慢した事がないからな」
「……そうか。じゃあ、質問を変えよう。お前は、今まで、自分の欲望のために奪ってきた命の数を覚えているか? ああ、あらかじめ断っておくが、俺が今までに食べてきたパンの枚数は聞くなよ。俺のことはどうでもいいんだ」
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