センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
10話 P型センエース2号の登場。
10話 P型センエース2号の登場。
「お前が誰かなど関係ない。私は神を知っていて、切に神を求めている。だから、お前ごときには負けない。単純な話」
「支離滅裂にもほどがあんぞ。いっさい理屈になってねぇ戯言を垂れ流すのはそこまでだ。構えろ。不明瞭な不和を正す。本物の最強は俺だ」
「無駄だと言っている。何度闘おうと、結果は変わらない。神を想うこともできないお前の武は、ハッキリ言うが、さほどでもない」
「うるせぇ! 誰にモノを言っていやがる! 俺の武は、極みに達した最果ての最強! 絶対に証明してやる! 俺の敗北は、世界の常識的に、絶対ありえない! だから、とにかく、もう一度、俺と――」
と、ハルスが、今にも殴りかかりそうな勢いで喚いた、その時、
――ズガンッッ!!
と、耳をつく衝撃音が響いた。
鳴り響いた音には、破裂音も混じっていて、
かつ、盛大な爆風も舞った。
チリとホコリが晴れた時、
そこには、
「ん……何か踏んだかな……」
両足でパガロをペシャンコにしている少年が一人。
十代中盤と思しき若い少年。
冴えない風貌で、中肉中背。
少年は、その足でグロく圧殺したパガロに対し、
『ん? 何か踏んだかな?』以上の興味を示すことなく、
視線をハルスに向けて、
「やあ、ハルス・レイアード・セファイルメトス。こんにちは」
「……」
目の前の状況が理解しきれず、
黙りこくって、ただ、目を見開くばかりのハルス。
そんなハルスに、少年は続けて、
「俺はP型センエース2号。……俺のことは、もちろん、知っているよね?」
「……『P型なんとか』って……そのふざけた名前……確か……ランキングで……」
「そう。二次試験開始からずっと、不動のランキング一位を獲得し続けてきた男。それが、この俺、P型センエース2号」
「……てめぇが誰だろうとどうでもいい……そんなことより……」
そこで、ハルスは、ペシャンコになっている哀れなパガロの死体をチラ見して、
「その野郎は、俺が殺す予定だった……何、邪魔してくれてんだよ、このカスが」
「ん? 殺す予定? 邪魔? いったい、なんの話……」
そこで、P型センエース2号は、自分が踏み殺した死体を、まじまじと確認し、
「これは……パガロか……裏カジノのチョイキャラ……これがどうしたと……いや、待てよ……時期的に、そろそろイベントの……ああ、なるほど。センエースとの闘いで開かれたパガロと闘って、普通に負けたから再戦しようとしていた、ってところか……ははっ、そういえば、そういうルートもありえると想定していたな」
「……なに言ってんだ、てめぇ……頭イってんのか?」
「大筋はキチンと把握しているのだけれどね……さすがに、枝葉まで完璧に把握は出来ていない。というか、いろいろと、ゴタゴタしていて、そこまでの余裕はないんだ」
「……なに言っているか、マジで一つもわからねぇ……もう、いい。お前がここにきて喋ったことは、ぜんぶ無かった事にして、最初から始めるぞ。ゴチャゴチャと余計な事は並べずに、俺の質問に対して、そこらのガキでも分かるよう、バカみたいに答えろ」
「その命令を聞かなければいけない理由がないんだが……まあいいか。で? 質問とは?」
「……何をしに、ここにきた?」
「恐怖を押し込めて、冷静に問いかける……うん、お前はまさに、勇者だ」
「ごたくはいい。二度言わすな。俺の質問に対して、簡潔に答えを述べろ」
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