『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

4話 認知が書き換えられた。


 4話 認知が書き換えられた。

「確か、龍試の時にも、ピーツが、ボソっと口にしていたんだ……」

「ピーツが龍試の時に?」

「ああ、ほら。『ラムドを倒して、なんとかみたいな神になる』……みたいなことを言っていただろう」

「覚えてねぇよ、そんな些細かつしょうもないこと」

 ※ 覚えていないのではない。
   認識していなかったのだ。
   これまで、ピーツの発言のほとんどを、
   周囲の者は、正確に把握できていない。

   そうなっていたのは、『ピーツに興味がなかったから』ではなく、
   そうなるように、認知バリアが張られていたから。

「あの迷い言は、いつも通りの、たんなる『ピーツ流イカれ発言』にすぎなかっただろうが、たまたま、名詞だけは私の記憶にある名前とかぶっていて、それで、脳が刺激されて……んー、くそ、ここまで出ているのに……確か……ソ……ソ……ぇぇと……あ!」

 記憶を探り、
 そして、

「思い出した!」

 どうにか、ひねりだす。
 一度つながれば、あとはイモづる式。

 ――認知阻害の殻が砕かれる。
 ――彼女達のイデアが解き放たれる。

 『フーマー東方に隠されていた文献』に記されていた、
 『フーマー大学校の設立に大きく貢献した公卿』の名、

「フーマー大学校の設立に貢献した、かつての大公卿の名は……」

 それは、





「ソル・ボーレ卿」





 ピンポーンという、甲高い音がして、
 扉が開いた。

 運命がうねりだす。
 変革の渦。
 世界が変わっていく。





 ★





 ビリっと、空気に感電して、
 ピーツは立ち止まった。

 奇妙な空気の出所は、探るまでもなく、背後からで、

「……?」

 振り返ってみると、
 ボーレが、鋭い目で、虚空をにらみつけていた。

 これまでのボーレの態度とは一線を画す、
 ビリビリとしたオーラを放っている。

「おい……ボーレ? どうした? お腹でも痛いのか?」


 ピーツに問いかけに、
 ボーレは一切反応せず、

 ただ、ボソっと、

「認知が書きかえられた……」

 静かな声だった。
 スっと通る声。
 ガラっと変わった声質。

 そんな、奇妙な変化を見せたボーレの横顔を見ながら、ピーツが、

「……はぁ? ホントに、どうした?」

 そう問いかけるが、

「……」

 本気で心配そうな顔をしているピーツをシカトし、
 ボーレは、一度、ギリっと奥歯をかみしめてから、

「まさか、私の認知阻害に『穴をあける』とは……完全に想定外だ……これではフローチャートから外れてしまう……最悪、ラスボス・プロジェクトが破綻する……」

 真剣な顔で、ブツブツと、

「P型センエース2号の情動調節はまだ完全ではない……というより、本物とはかなりのズレが生じている。本物であれば、仮にカルシィを心配していたとしても、それを直接口に出すことなどありえない……つまり、P型センエース2号は、まだまだ、センエースには成り切れていないということ。今のままでは、センエース特有の超覚醒など起こり得ない……ゼンにすら、勝てるか怪しい粗悪レプリカ……」

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