センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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3話 フーマー大学校の設立に金銭面で最も貢献した公卿の名前は?


 3話 フーマー大学校の設立に金銭面で最も貢献した公卿の名前は?


 一方、その頃、
 カルシィ・エーパ・ドコスの三名も、
 転移トラップに動揺することなく、
 サクサクと、出口に向かって進んでいた。

 その途中、
 カルシィが、ボソっと、

「まさか、ここまで『著しく偏った分け方』をしてくるとは……」

 心配そうな声でそうつぶやいたカルシィに、
 エーパが、

「まあ、でも、あの子も、今回のダンジョン攻略で☆9の強化パーツを手に入れて、多少は強くなったんだし、出口まで駆け抜けるくらい出来るんじゃない?」

 続けてドコスが、

「ただ、ピーツは、『素の力』がカスすぎるからな……妙な暗号解読能力は持っているようだが、それだけだと、いろいろ厳しいだろう。あいつのことは諦めた方がいいかもしれん」

 不安を煽ってくる。
 カルシィが、ギリっと奥歯をかみしめて、

「私は、彼に、二次合格を約束した。それなのに、こんなところで、脱落させてしまったら、名折れ以外のなにものでもない。私の名誉のためにも、さっさと合流しなければ」

 その発言を受けて、
 エーパとドコスは、たがいに、小さな溜息をこぼしてから、

「お嬢って、ほんと、無駄な責任感が強いわよねぇ」
「なおしてくれねぇかなぁ、そのかったるい性格。自分のことだけ考えていてくれよ」

 小声でぶつぶつ言っている二人を引き連れて、
 カルシィは、ピーツと合流しようと、ルートを模索する。

 そんな中、
 ふいに、
 カルシィが、

 ――ボソっと、





「……しかし本当に……まったく意味がわからない。なぜ、『3:1』でわけるんだ。普通、『4人』を二手に分けるなら、『3:1』ではなく、『2:2』だろう。仮に、偏った分け方をするにしても、そこは私一人か、ドコス一人にするべきだ。最弱の『ピーツだけ』を別にする意味がまったくわからない」





「ダンジョンに常識を求められてもなぁ……」

 などと、ぶつぶつ言っていると、
 少し広いフロアに出た。
 そのフロアの壁には、石板が飾られていた。
 フチに金が使われている、変に豪華な仕様。

 その石板には、短い問答が記されていた。

「また暗号か?」

「違うわ、お嬢。暗号というより……クイズみたい」

 問答の内容は、

『フーマー大学校の設立に金銭面で最も貢献した公卿の名前は?』


「そんなもの知るわけがないわ……」
「学校が創られた歴史なんか、誰も興味ないからなぁ……つぅか、一万年くらい昔の話だから、正確なことはわからず、諸説だけが山ほどあるって聞いているぞ」

 と、エーパとドコスがつぶやいた。
 その横で、
 カルシィが、ニィと微笑み、

「くく、これなら知っている」

「え、ほんと?」

「ああ。実家の蔵に眠っている文献のいくつかに、フーマー設立に関する内容が書かれていた」

「マジか……つぅか、そんなもん、よく覚えているな」
「そういえば、お嬢、昔は、よく古い本を読み漁っていたっけ」
「で? フーマー大学校の設立に尽力した金持ち貴族様の名前って?」

「それは、あれだ……あれ? えぇと……えぇと……」

「おいおい、お嬢、結局おぼえてねぇのかよ」

「まて、ここまで出ている……絶対に出るから、ただのド忘れだから……えぇ……と……そう、確か、龍試の時にも、ピーツが、ボソっと口にしていたんだ……」

「ピーツが龍試の時に?」

「ああ、ほら。『ラムドを倒して、なんとかみたいな神になる』……みたいなことを言っていただろう」


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