センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
24話 比類なき集中力。
24話 比類なき集中力。
「ぼくはな……他の人よりも、集中力が高いんや」
「なんだ、その小学生の通信簿みたいな自己評価は……な、ナメているのか……?」
「ナメてんのはソッチやろ。というか、本物の集中力の価値を知らんから、『集中力が高い事の利点』がイメージできていない。ぼくの特技をもう少し具体的にいうと、『一瞬』かつ『任意』で、『完璧なフロー状態』になれるって感じ。イメージしやすい例を出そうか。――たとえばダーツ。ぼくは、その気になれば、百発百中で、ブルに入れられる」
「……」
無我の境地とも呼ばれている、完全集中状態。
達人と呼ばれる特殊な人間でも、一瞬かつ任意に、無我の境地に至れる者は少ない。
神の領域に達した者でも、『一瞬』でとなると不可能。
だが、ウラスケは出来る。
なぜなら、彼は生まれながらに持っているから。
数千万人に一人とも、数億人に一人とも言われている、超レアな究極特性。
――プラチナスペシャル『シャットアウト・ゾーン』を。
「周りを見ていれば、よく分かる。みんな、集中力なさすぎ……」
ずっと思っていた。
どいつもこいつも脳みそがトロすぎる。
「本気で生きてしまったら、ぼくは、すぐに、ウチの家系の連中みたいに、異端児扱いされてしまうやろう……それがイヤやから、ぼくは、常に鈍感であろうと努めとる。頑張って、集中力を殺して、必死にボーっと生きとるんや。――すると、おかしな話で、『日常的に集中力を抑え込んでいる反動』なんかどうか知らんけど、潜在的集中力が、どんどん研ぎ澄まされていく。なんぎな話や。普通に生きていくんは、ほんまに難しい」
もともと、『脳の仕組み』の問題で、『ある種の禅のような生き方』を徹底したことにより、潜在集中力が異質に高まっていたが、
携帯ドラゴンを入手して以降は、
その『生きざま』が、アリア・ギアスとして成立し、
ウラスケは、より、凶悪なスペックの集中力を手に入れた。
「……奇妙なヤツだな……なんなんだよ、お前……」
「ぼくは、田中裏介。『病(や)んどる家系に産まれた』って事以外は、いたって平凡な、どこにでもおる、普通の中学二年生や」
「……なにが、どこにでもいる中学生だ……ふざけ……ん? タナカ……? その名字……少し独特な関西弁……特異な資質……」
と、そこで、虹宮は、ウラスケの顔をジっと見て、
(よく見れば……似て……なくもない……面影がある……目つきと、骨格……)
「ん? なんや、急に、ぼくの顔をジっと見てきて……なんか、ついとるか?」
「……一つ、質問がある。お前の兄弟か、もしくは親戚に……『トウシ』という名前の中学三年生がいるか?」
そこで、ウラスケは、鼻白む。
みけんにシワが寄って、心がザワっとして、
その流れのまま、
「……なんで、知っとんねん」
ボソっとそうこぼした。
その態度だけで充分だった。
虹宮は、
「そうか、やはり……」
少しばかり自嘲して、
(なら、勝てるわけがない……)
心の中でそう呟いた直後、
(そういえば、言っていたな……『血がつながっている人間は、全員、イカれている(特殊なスペックを有している)』と……まったく、とんでもない家系だ)
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コメント
迅生
タナカ家ぱねぇ