センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
17話 さすが、プラチナスペシャルホルダーは格が違った。
17話 さすが、プラチナスペシャルホルダーは格が違った。
「その態度を見る限り、どうやら聞くまでもなさそうだけれど……まあ、一応、聞いておこうか。……どうしても、我々と敵対するか?」
先ほどアスカから質問された時とはうってかわって、
虹宮からの『この質問』に対して、ウラスケは、ノータイムで答える。
「敵対する気なんか微塵もない。できるだけ、仲良く、平和的に、諍(いさか)いなく、穏便にすましたい。けど、そっちの『理不尽』を飲むことは出来ん。というわけで、そっちに対して、『折れてもらえませんか』と懇願させてもらう。受けてくれたら、全員がハッピー。というか、それ以外の解決策はない。以上」
「……『理不尽』ねぇ……」
虹宮は、心底不愉快そうな声で、ウラスケの言葉を反芻して、
「時間も手間も命も惜しまず、人類のために、必死になって闘っているおれたちに対して……酷い言い草だ」
どこまでもハッキリと不快感を示し、
「偉大なる聖主のバディとして、現実が微塵も理解できていない頭がおかしいお前に、道理というものを教えてあげるよ」
そう言うと、虹宮の姿が、ウラスケの視界から消えた。
と思ったと同時、右のわき腹に激痛が走る。
「ぐぁっ!! ……ちぃっ!」
薄く視界に入ってきたのは、わき腹に蹴りを入れている虹宮の姿。
ウラスケは、自分の側腹部にブチ込まれた虹宮の足を掴もうとしたが、
その寸前で虹宮は足を引っこめて、そのままの勢いで、
ウラスケの頬に肘をブチこんできた。
そして、言う。
「悪くない反応速度だ……なるほど、お前の相手は、あの二人だと厳しいか。あの二人も決して弱くはないが、戦闘力に関してはまだまだ発展途上だから」
「がはっ、ごほっ」
「……けれど、おれなら対処できる。おれも、もちろん発展途上ではあるが、あいつらと比べれば、随分と上のステージにいるから」
言いながら、虹宮は、
右、左、右と、リズミカルに、拳や足を叩きこんでいく。
「どうだ? おれは強いだろ? なんせ、おれは、偉大なる聖主の右腕――バディだからな。そのポジションは、そこらのザコじゃ務まらない」
虹宮のムーブは、『闘い』を理解している者の動きだった。
ド素人のウラスケでは、対処しきれない、玄人の流。
ウラスケは、どうにか、虹宮の猛攻から抜け出し、
必死になって、距離を取り、
「がはっ、ごほっ……腹立つなぁ……なんやねん、その強さ……あの二人と、全然違うやないか……」
「あの二人には、まだ、闘いの輪郭が見えていない。『武の髄』がわずかも理解できていない。……だが、俺はできている。この差は大きい」
「武の髄……まだ若いのに、そんなもんを理解しとるとは……とんでもないニーサンやなぁ、あんた」
「伊達や酔狂で、偉大な英雄のバディを名乗りはしない」
「偉大な英雄ねぇ……」
含みのありそうなウラスケのつぶやきに、
虹宮は、ハッキリとムっとして、
ググっと眉間にシワを寄せ、
「何か言いたいことでも?」
「英雄やったら、救いを求める声に耳を傾けろや」
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キャベツ太郎