センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
16話 史上最高の弟子にして、偉大なる聖主のバディ――虹宮憲治。
16話 史上最高の弟子にして、偉大なる聖主のバディ――虹宮憲治。
「なんで……そこまでしてくれるの? どうして……私を助けてくれるの……」
「……」
濡れた言葉を投げかけられて、ウラスケは言葉を詰まらせた。
この質問に対して、ウラスケはまだ、整った回答を有していない。
ふいに、そこで、ウラスケは、
学校での『アスカの様子』を思い出す。
『独り』を好む性質に関しては、家系の問題で理解できていた。
認めたくはないが、自分にも、そういう性質が含まれているから、理解するのは難しくなかったのだ。
ウラスケは、孤高主義という性質を、そこそこ正確に解(かい)している。
というか、ぶっちゃけ、認めていないだけで、
実際のところ、ウラスケは、孤高主義を熟知している。
若干異端ではあるものの、ウラスケも、間違いなくタナカ家の人間だから。
だからこそ、繭村アスカは『そっちの人間ではない』と理解できた。
違うのだ。根本的に。
性質のベクトルが、孤高主義とは絶対的に乖離している。
彼女は決して、そっち側じゃない。
ウラスケは、その結論に至ると同時に、
彼女が『ひどく苦しんでいる』と理解できた。
他者とのかかわりを避けながら、心を閉ざしながら、
痛みを抱えながら、必死に、全身全霊で、
彼女は、無言のまま『救い』を求めていた。
言葉にせずとも、
明確に、態度で示さずとも、
彼女は、ずっと、
『助けてくれ』と叫んでいたんだ。
それが、ウラスケには分かった。
わかってしまった。
だから――
「ぼくは……」
とっちらかった思考を整理しながら、
答えを口にしようとした――
――と、その時、
ギギギっと、耳障りな音がして、
また、次元に亀裂ができた。
ウラスケは、即座に頭を切り替えて、
次元の亀裂を睨みつけた。
この『絶妙なタイミング』で来てくれたコトに、どこかでホっとしている自分がいる事に、ウラスケは内心で気付いていたが、見てみぬふりをした。
彼はまだ、自分の不可解な情動に対する明確な解答を得ていない。
――次元の亀裂は、五秒ほどで『人が通れるサイズ』なり、
そして、その奥から、
「……最終確認にきた」
神話狩りのナンバーツーにして、偉大なる聖主のバディ『虹宮憲治』が出現して、
ウラスケを睨みつけながら、そう言った。
挨拶もクソもなかった。
極めてシンプルで、直観的で、瀟洒でスマート。
スキがなく、腰がすわっていて、筋と芯が通っている。
ウラスケは、虹宮という男に対して、そんな印象を抱いた。
「迷わずにエースを投入してきたか。対処がアホほど迅速……どうやら、かなり優秀な組織らしい」
ウラスケは、そう言いながら、アスカを守る壁を完璧に遂行しつつ、
侮りえない難敵――虹宮憲治を睨みつける。
虹宮に対して、ウラスケは、初手から『対話を拒絶している空気』を出す。
その態度は、まさしく威嚇だった。
相手に対してだけではなく、自分に対しても気合をぶちこむ魂の構え。
その手の拒絶的態度に、特別鈍感ではない虹宮は、
無意味な確認や前置きは抜きにして、サクっと本題に切り込む。
「その態度を見る限り、どうやら聞くまでもなさそうだけれど……まあ、一応、聞いておこうか。……どうしても、我々と敵対するか?」
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