センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
10話 頼む……
10話 頼む……
「正直に言うと、そこの彼女が、ネオバグに乗っ取られているだけの人間なのか、それともネオバグそのものなのか、それすら、イマイチ分かっていないのが現状だ」
つらつらと並べられた情報を、
ウラスケは、高速で処理し、
「……ようするに、何も分かってないから、とりあえず殺すってことか」
トゲのある言葉に変換して揃えた。
ウラスケの、そんなチクリと刺すような『反抗の意思』を、
しかし、岡葉は、サラリと流し、
「まあ、ひらたくいうとね」
感情のない言葉で打ち返した。
「OK、理解した。どうやら、あんたらとぼくは、絶対的に、平行線をたどる事になるってことやな」
「いや、そんな事にはならねぇ」
「ボクらは、今から速攻でネオバグを殺し、そのまま、『特異能力者である君(なぜかフィールドによる認知阻害を受けない者)』を連行する。それで、このミッションは終わりだ」
「どうしても、この女を殺すと言うんやったら……全力で抵抗させてもらう」
「抵抗ねぇ」
そこで、味崎は鼻で笑った。
芯の通った嘲笑。
続けて、岡葉も、
「一般人の中学生が、神の試練を乗り越えたボクら相手に抵抗……はは」
と、鼻で笑う。
「いやいや、岡葉。神の試練を乗り越えたのは、『聖主』だけで、俺らは途中で、『じんろう』に殺されただろうが」
「……まあ、正式に言うとそうだけれど、あの時点まで生き残っていた者は、全員、『聖域』に召集されたじゃないか。……だから、ボクらも、一応、クリアしたってことでいいんじゃない? アレは、あくまでも強制負けイベント。そういう認識でいいと思う」
「……モノは言いようだな」
「何言ってんのか、全然わからんけど、とりあえず、あんたらが、なんだかスゲェ自信満々ってことだけはわかった」
「聖主と比べれば、俺達はミジンコと変わらないクソザコだが、それでも、一般人に負ける事はありえない」
「なんせ、ボクらは全員、その気になれば、ソロでも、全人類を数日で皆殺しに出来る力を持っているからね」
「そら、ハンパないな……笑(わろ)てまうわ」
「というわけで、無駄な抵抗はするな。ケガしたくないだろ」
「ボクらも、意味なく一般人を傷つけたくはないんでね。邪魔しないでくれるかな」
「何度も言わせるなよ。この女を……繭村アスカを殺すというのなら、ぼくは、全力で抵抗する。絶対に殺させない」
「あ、そ。じゃあ、お前の後頭部を殴って気絶させてから、むりやり連行することにする」
「ボクらは、マンガの達人みたいに、『気絶させるのが上手』ってワケじゃないから、ボクらにガツンといかれたら、普通に痛いと思うし、最悪、後遺症とかが残る可能性もあるけど、まあ、それは、『そっちが無駄な抵抗をしたせい』ってことで納得してもらうからね」
そう言って、パキパキっと手の関節を鳴らす二人。
そんな、ハッキリと戦闘態勢に入った二人を見て、
ウラスケはボソっと、
「どうか……」
祈るように、
「……通用してくれ……」
つぶやいてから、
スゥと、息を吸って、
「こいっ! メルクリウス!!」
そう叫ぶと、
「きゅいっ!!」
ウラスケの目の前に、戦意むき出しの携帯ドラゴンが召喚された。
コメント
迅生
ここで携帯ドラゴン(゚∀゚)