センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
5話 タナカ家の秘密。
5話 タナカ家の秘密。
「滅んだらええのに……とは思うんやけど、ウチの家系って、恋愛に関しては、変に貪欲なところがあって、『コイツ!!』っていうパートナーを見つけたら、わき目もふらずまっしぐらで、せやから、孤独主義者の集団のくせに、血は絶えんという……ああ、ほんま、多角的にキモい家やなぁ、ウチの家!!」
「ふぅん……なんか、おもしろそう。今度、誰か会わせてよ。そこまで言われる人間って、少し興味があるかも」
「いや、無理。仮に、ぼくが了承しても、向こうが断ってくる。『なんでお前のクラスメイトに会わなあかんねん、アホか』って言われて終わり。事情を説明したらしたで、『ナメてんのか、ボケ』って蹴り飛ばされて終わり」
「じゃあ、会わせてくれるのは『あんたの親』でいいけど?」
「……はい?」
「だって、あんたの親も、当然、その『あぶない家系』の中の一人でしょ? 父親と母親のどっちが『その血筋の人』か知らないけど」
「親父の方がそう……ただ、親父は、どっかの国でスパイをやっとるらしいから、ぼくでも会えん。7歳くらいの時に一回だけ会ったけど、それ以降は、一秒たりとも会ってない。あと、聞いた話やと、8割方死んどるらしいから、もう二度と会えんと思う」
「……衝撃の話がバンバン出てきたけど……ていうか、なんで、知っているの? 工作員をやっているかどうかって、普通、家族でもわからないんじゃないの?」
「さっき言った『一つ歳上の従兄』が教えてくれた。あの人、パソコンとかネットとかに詳しいから。……ルートについては聞くなって言われたよ。ハナから聞く気なんてなかったけどね。どうでもよかったから」
「……やっぱり、思ったとおり、あんたって奇妙」
「だから、ぼくは、奇妙じゃないんだって! ぼくは普通なの!」
「親がスパイで、かつ死んでいるって話を聞かされても、なんとも思わなかったんでしょ? 充分、奇妙だと思うけど?」
「一回しか会った事のないオッサンが、何者で、どこで死のうが、関係ないって思う方が普通やろ! ずーっと、一緒に暮らしとった人が、実はスパイでしたぁ、ってなったら、そら『あら、びっくり』ってなるけど! ちょっと、いっかい、具体的に想像してみ? 小1くらいの時に一回会っただけの、親戚のオッサンが、実はスパイでしたって言われたところ。そんなもん、感想なんか、どんなにひねりだそうとしても『え、うそやろ?! まじで? きっしょ!』で終わりやろ?!」
「……まあ、私がどんな感想を抱くかはともかくとして……あんたの話を聞いてみて、普通の家系じゃないってことは、よく分かったわ」
「ほな、秘密は晒し終わったことやし……そろそろ教えてくれる? 繭村について――」
「その前に、もう一つ」
「ぇえ……なに?」
「あんた自身の秘密を、何か教えて。家系がどうとかじゃないやつね。他の人が知らないプライベートなのがいいかな。……『実は、誰々が好き』とか、そんな感じのでもいいし」
「……ぼく自身の秘密……誰も知らない……」
「もうこれが、最後。それを教えてくれたら、アスカの事も教えてあげる」
「しゃーないな……じゃあ、ぇと、これは、誰にも言わんといて欲しいんやけど……」
「うんうん」
「ぼく、本名は、田中裏介ちゃうねん」
「……はい?」
「これも、ほとんど家系の事になるんやけど……ウチの家系って、血がつながっとる人は、全員、特別な名前を与えられるんよ。普段は名乗らない、真名」
「……」
「ぼくの真名は、『田中・イス・裏介』。同じ血が流れとる親戚は、全員、この『イス』という特別な名前を持っとる。どっかでスパイをやっとるオヤジの真名は『田中・イス・栄雅』。従兄の真名は、『田中・イス・東志』でも、ウチの母親は、ウチの家系の血が流れとる訳やないから、普通
「滅んだらええのに……とは思うんやけど、ウチの家系って、恋愛に関しては、変に貪欲なところがあって、『コイツ!!』っていうパートナーを見つけたら、わき目もふらずまっしぐらで、せやから、孤独主義者の集団のくせに、血は絶えんという……ああ、ほんま、多角的にキモい家やなぁ、ウチの家!!」
「ふぅん……なんか、おもしろそう。今度、誰か会わせてよ。そこまで言われる人間って、少し興味があるかも」
「いや、無理。仮に、ぼくが了承しても、向こうが断ってくる。『なんでお前のクラスメイトに会わなあかんねん、アホか』って言われて終わり。事情を説明したらしたで、『ナメてんのか、ボケ』って蹴り飛ばされて終わり」
「じゃあ、会わせてくれるのは『あんたの親』でいいけど?」
「……はい?」
「だって、あんたの親も、当然、その『あぶない家系』の中の一人でしょ? 父親と母親のどっちが『その血筋の人』か知らないけど」
「親父の方がそう……ただ、親父は、どっかの国でスパイをやっとるらしいから、ぼくでも会えん。7歳くらいの時に一回だけ会ったけど、それ以降は、一秒たりとも会ってない。あと、聞いた話やと、8割方死んどるらしいから、もう二度と会えんと思う」
「……衝撃の話がバンバン出てきたけど……ていうか、なんで、知っているの? 工作員をやっているかどうかって、普通、家族でもわからないんじゃないの?」
「さっき言った『一つ歳上の従兄』が教えてくれた。あの人、パソコンとかネットとかに詳しいから。……ルートについては聞くなって言われたよ。ハナから聞く気なんてなかったけどね。どうでもよかったから」
「……やっぱり、思ったとおり、あんたって奇妙」
「だから、ぼくは、奇妙じゃないんだって! ぼくは普通なの!」
「親がスパイで、かつ死んでいるって話を聞かされても、なんとも思わなかったんでしょ? 充分、奇妙だと思うけど?」
「一回しか会った事のないオッサンが、何者で、どこで死のうが、関係ないって思う方が普通やろ! ずーっと、一緒に暮らしとった人が、実はスパイでしたぁ、ってなったら、そら『あら、びっくり』ってなるけど! ちょっと、いっかい、具体的に想像してみ? 小1くらいの時に一回会っただけの、親戚のオッサンが、実はスパイでしたって言われたところ。そんなもん、感想なんか、どんなにひねりだそうとしても『え、うそやろ?! まじで? きっしょ!』で終わりやろ?!」
「……まあ、私がどんな感想を抱くかはともかくとして……あんたの話を聞いてみて、普通の家系じゃないってことは、よく分かったわ」
「ほな、秘密は晒し終わったことやし……そろそろ教えてくれる? 繭村について――」
「その前に、もう一つ」
「ぇえ……なに?」
「あんた自身の秘密を、何か教えて。家系がどうとかじゃないやつね。他の人が知らないプライベートなのがいいかな。……『実は、誰々が好き』とか、そんな感じのでもいいし」
「……ぼく自身の秘密……誰も知らない……」
「もうこれが、最後。それを教えてくれたら、アスカの事も教えてあげる」
「しゃーないな……じゃあ、ぇと、これは、誰にも言わんといて欲しいんやけど……」
「うんうん」
「ぼく、本名は、田中裏介ちゃうねん」
「……はい?」
「これも、ほとんど家系の事になるんやけど……ウチの家系って、血がつながっとる人は、全員、特別な名前を与えられるんよ。普段は名乗らない、真名」
「……」
「ぼくの真名は、『田中・イス・裏介』。同じ血が流れとる親戚は、全員、この『イス』という特別な名前を持っとる。どっかでスパイをやっとるオヤジの真名は『田中・イス・栄雅』。従兄の真名は、『田中・イス・東志』でも、ウチの母親は、ウチの家系の血が流れとる訳やないから、普通
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