センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
裏0話 敗北者。
裏0話 敗北者。
ソンキー・ウルギ・アースに、フルでボッコボコにやられ、普通に死に掛けた神の王。
死ぬ直前に、どうにか瞬間移動で、ソンキーの照射から逃げのびた究極超神の序列一位。
ボコられて、死に掛けて、結果、シッポを巻いて逃げ帰ってきた舞い散る閃光。
そんな散々な主人公に、シューリは、開口一番、
「なんで、究極超神化7を使わなかったんでちゅか?」
冷たく、そう声をなげかけた。
「さっきのは、俺とソンキー、どちらが『強い』のかを決める闘いだ。純粋に、どちらの『武』が上か」
乾いた言葉で、次を繋ぐ。
「究極超神化7は、俺の努力だけで辿り着いた世界じゃない。ゼノリカがなかったら、辿りつけなかった次元。だから、さっきの闘いでは使えなかった。使わなかったのではなく、使えなかった」
「わけのわかんない理屈でちゅね。ていうか、そんなこと言いだしたら、あの愚弟だって、自分の努力だけで真・究極超神化6にたどり着いたわけじゃないんでちゅけど」
「誰かの理解を求める気はない。これは、俺とあいつの問題だ。それに、同じ出力でやってこそ、どっちが『強いか』をハッキリさせることができる」
先の『闘い』で問われていたのは、『どちらが勝つか』ではない。
徹底的に、純粋な『戦闘力』の競り合い。
だから、『出力』は同じでなければいけなかった。
「あえて明言するまでもない『至極当たり前の話』だが、一応、言っておくと……『マナーも流儀もプライドもへったくれもない、無粋な命の奪い合い』なら、あいつは、絶対に、俺には勝てない」
究極超神化7という超次威光を前にすれば、今のソンキーでは、何もできない。
チョチョイッと、ぬっ転がされて終了。
「もし、先の闘いが、『何がなんでもソンキーを殺さないと、世界がどうこうなってしまう』という危機的状況だったなら、俺は絶対に負けなかった。――が、俺とあいつの闘いは、そうじゃない」
「ぁれ……ってことは、もしかして、お兄は、あの愚弟に、『ガチで負けた』ってことになるんでちゅか?」
「ああ。俺は……負けた……本当に……ただ……純粋に負けた。凡才の俺が、天才のあいつに敗北を喫した。それが、現状の全て」
と、素直に『自分の敗北』を認めたセン。
肩透かしをくらった気分になったシューリは、
少しだけ、ほんのかすかな戸惑いを見せてから、
いつもよりも、ニタニタ笑いを強めて、
「……おやおや、ずいぶんと素直でちゅね。将棋の時みたいに『負けてやったんだ』とは言わないんでちゅか?」
シューリからの問いに、
センは、とうとうと答える。
「ハルスとやった時は、ほんの少しだけ、マジで、負けてやっても構わないという設定にしていた」
あの勝負では、『自分の負け』を設定して挑んだ。
というか、ハッキリ言ってしまえば、
あんなものは、勝負でもなんでもなかった。
センエースが、ハルスを試した結果、
センエースの想定以上に、ハルスが頑張りました……
――それだけの話。
「……だが、今回は違う。ガチガチに勝つつもりだった。ルールを遵守した上で、ガッツリと勝つつもりだった。……絶対に勝てると思った。俺が積んできたものは、誰にも届かない場所にあると本気で信じていた……その証拠に、俺、あいつを倒した後のセリフとかも用意していたんだぜ……はっ……バカみたいだ」
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コメント
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コメントを書くノベルバユーザー361482
やっぱり7を使わなかった理由はそれかぁ。。。
キャベツ太郎
お疲れぃ