センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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139話 超えたぞ、無粋な壁を……やっと……っ!


 139話 超えたぞ、無粋な壁を……やっと……っ!

(タナカトウシ……お前の『全部』を引き出す。わずかな余白もなく、目一杯、限界の限界まで)
(ソンキー、あんたの『全部』はもっと大きい。あんたが積み重ねてきた全てを、ワシの超知性で、開花させてやる)

 ソンキーの導き。
 トウシの導き。
 互いが互いを導きあって、まばゆい光に届く。

(タナカトウシ、お前はもっと先に行ける)
(ソンキー、あんたの限界はここやない)

(お前の全部と! 俺の全部を!)
(あんたの全部と! ワシの全部を!)




((合わせて!!))




 跳ねて、
 弾けた。

 魂魄の鳴動。

 ――調和していく。







「――『真・究極超神化6』!!」







 辿り着いた輝きは、
 神の王に匹敵するまばゆさ。

 極限を超えた神と、同じ世界に、二人は立つ。

「っっ……こ、超えた……超えたぞ……無粋な『5』の壁を……やっと、超えた……いや、超えただけじゃなく、その先まで……辿り着いた」

 長く超えられなかった、究極超神化5の壁。
 その壁の向こうに、ソンキーは、ついに辿り着いた。
 壁を砕き、その勢いのまま、さらなる上の領域までかけあがった。

 タナカトウシという魂魄のブーストを得たことで、
 ソンキー・ウルギ・アースは、ついに、運命の限界を超えた。

「待たせたな、センエース。この上なく尊き命の王よ。『お前が最も偉大な神である』という『事実』に対して疑問はない。しかし、最強か否かという点に関しては懐疑的だ。お前は強いが、俺だって強い」

「ああ、お前は強いよ。当たり前だ。この俺に憧れを抱かせた神が、弱くあってたまるか」

「……さあ、決めよう。どちらが最強の神なのか」

「それは、すでに決まっている。俺が、最強だ。今から始まるのは、お前が、どれだけ俺に近づけたか……それを試すだけの時間」


 ――言葉の終わりが合図となって、
 気づいたときには、
 ズガンと拳が肉を裂いていた。
 骨が軋んで、オーラがはじけ飛ぶ。

 ぶつけあっているのは、間違いなく拳なのに、
 殴り合いとは思えなかった。

 死が炸裂し続ける。
 恐怖は感じない。

 華々しくもあったし、泥臭くもあった。

 互いに、いつもより一歩、深く潜り込んで、威風そのものを叩きこむ。
 発生した奇怪な風に、その身をゆだねて、フワリと回避。
 粛然として、ステップ。
 端厳(たんげん)な返しで、オーラのバリアにメスを入れる。
 たがいに頑強(がんきょう)。
 清廉(せいれん)な堅固。

 ――ありとあらゆる全てが交差する。
 美しく、儚い、命が輝く。

 『幻想に浸食された一瞬』が運命を砕いていく。

 数え切れないジオメトリの嵐。
 神域の暴力が踊り狂う。
 迅雷の神速。
 次元断層が軋む。
 悲鳴をあげている。
 限界を超えた加速が世界を切り裂く。



 途中で、
 ふいに、

「タナカトウシからのメッセージだ。そのまま伝える……『やっぱり、お前、ワシが知っとるセンエースやろ』……とさ」

「なんで、そう思う?」

「……『なんとなく、そんな気がする』……だとよ」

「アホの答えだな」

「自分でもそう思っているようだ」



「……はっ……」



 目を細め、少しだけ、頬をゆるませて、
 センエースは笑った。

 ――きっと、何かが繋がった気がしたから。

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