センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
125話 トウシ×ソンキー。
125話 トウシ×ソンキー。
「一度だけ、お前の強化パーツになってやる。誇るがいい。お前は、この俺に、その『ありえない決断』をさせるほどの可能性を示した。それは、他の誰にも成しえないこと。お前は不可能を可能にしてみせた」
「……」
「お前の最果てを魅せてみろ、タナカトウシ」
言い終えたと同時、
ソンキーの体が粒子になって、トウシの中へと浸透していった。
「……ぁっ」
ソンキーと一つになって、神々しい輝きに包まれるトウシ。
「……ぁあ……あっ……溢れる……こぼれおちる……なんという質量……なんという膨大な……」
ソンキーエンジンの馬力はエゲつなかった。
全身の奥から湧き上がってくる力。
細胞が加速しているよう。
「とめどない……とどめきれな……ぃ、いや、逃がさない……一つもこぼしてやらん……この全部を……ワシのものに……」
その全てを抱え込んで、
トウシは叫ぶ。
「究極超神化5!!」
あまたの段階をすっ飛ばして、
トウシは、最大級の出力に身を投じる。
超神を超えた先、
神の終着点、究極超神。
そんな究極超神を、
超えて、
超えて、
超えて、
超えた姿!!
「探り合いはしない! 今のワシに可能な最強の力で、あんたをねじ伏せる!! いくぞ、アダム!! 殺してやる!!!」
「ソンキーと融合し、究極超神級の出力が可能になった――ただそれだけで超えられるほど、私は浅くない! 現実をナメるのもいい加減にしろ、クソガキィイ!!」
トウシとアダムの闘いは、激化した。
互いが、互いに、空間ごとねじ伏せようと、次元多断層の制圧を求める。
トウシは、凶悪なオーラによってコーティングされた刃の流星群を降らせた。
無限を想わせるオーラソードの嵐。
バ火力と自律円舞力に特化したソードスコール・ノヴァ。
アダムは、剣雨の隙間をくぐり抜けて、トウシとの距離をつめる。
全てが一瞬の中で消費されていった。
空間に魔法陣が描かれては熔けて、
時空に塗られた色彩が、認知されるよりも速く、次々と移り変わっていく。
最初は、アダムが有利を取っていた。
当然。
魂魄の融合など、力が拮抗している者同士で行っても、基本的には『総合力が弱体化』してしまう禁忌技。
出力は多少上がるが、大抵の場合、戦闘技術のピントがズレて、融合前よりも弱くなってしまう。
ソンキー単体なら、アダムと悪くない勝負が出来ただろうが、
トウシと混ざったことで、ソンキーは濁ってしまった。
偉大なる純神の一等星――その輝きを、ソンキーは失ってしまった。
ゆえに、アダムの勝利は揺るがない。
圧倒的強者として、的確にトウシのリソースを削いでいった。
――しかし、次第に、
(バカなっ……縮んでいる……圧倒的だった彼我の差が……異常な速度で詰め寄られている……こんなイカれた話が……)
時間が、アダムの敵になった。
トウシは、凶悪な速度でソンキーを学習していく。
融合によって生じた歪みが修正されていく。
(あるのか……こんなことが……否、あっていいはずがない……っ)
焦りから、ミスも生じるようになった。
ミスといっても、悪手というほどではなく、
最善手ではなくなったという程度。
とがめを受けるほどではない――はずだった。
しかし、その拙いミスが、呼吸のズレを産んだ。
コメント
キャベツ太郎
あれ?アダム氏?