センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
112話 超神化。
112話 超神化。
「ありうるとは思っていたけれど……まさか、本当に、神に成っていたとは……タナカトウシ。貴様には心底から驚かされる」
拳や剣や魔法を交わしあいながらの対話。
それは、まるで、ミュージカルのようで、
「ミシャンド/ラ……やっぱり、あんたも、この変身技が使えたか……スーパーサ○ヤ人が、サ○ヤ人限定の変身技みたいな感じで、この神化って技が、『地球人限定の技やったらええのになぁ』とか、ちょっとだけ思っとったけど……まあ、そんなワシにだけ都合よく世界はまわらんよな」
神化によって激化する闘い。
波動が渋滞を起こす。
「この世界は、もう充分過ぎるほど、貴様にとって都合よく回っているだろう……貴様は才能という点であまりにも優遇されすぎている」
幾何の百花繚乱。
命の花が萌ゆる。
「才能という点に関しては、ワシも自分に驚いとる。前々から、ワシは、そこそこハンパない資質を持っとるなぁと思っとったけど、ここまで自分の才能がケタ違いとは思ってなかった」
言葉を交わしながらも、さらに芸術性を増した闘いを続ける両者。
終わらない。
止まらない。
人間では理解できない舞台で踊る二人。
「タナカトウシ、貴様は素晴らしい! そのとびぬけた才能に敬意を表し、私の全てを見せよう! 私の全力!! 神を超えた姿!!」
そう叫び、ミシャは、全身に力を込めた。
また輝きが増していく。
エネルギーの破片が電流になって、バチバチと音をたてる。
「――超神化――」
嵐のようなエネルギーの奔流。
渦巻いて、円になって、輪になっていく。
神を超えた姿になるミシャンド/ラ。
その凶悪な魂魄に、世界が平伏する。
「タナカトウシ……貴様は天才だ。その若さで『高み』にたどり着いた者は他にいないだろう。心底から感嘆する……だが、私は超えられない。上には上がいるという、当たり前の現実を教えてやる」
その言葉を受けて、トウシは、
ゆっくりと、両手をあわせる。
「――超神化――」
トウシもまた、ミシャと同じように、神を超えた耀きをその身にまとう。
世界を平伏させる、超常を超越した姿。
ミシャも、流石に、ここまでは予測できていなかったようで、
目を丸くして、ポカンと口をあけて、
「な……ぁ……」
パクパクと口を動かすが、言葉にはなっていない。
回復まで数秒を必要とした困惑。
どうにか自分を取り戻すと、
ミシャは、
「……こ、こんなこと……ありえない……神に成るだけでも異常なのに……その先まで……そんなイカれた才能……あっていいわけ……」
かすれた声が霧散する。
意味のない疑念を、
しかし、すぐに、
「ちっ」
嫉妬の混じった舌打ちとともに消し去って
「信じられないが……数値だけなら、私の領域に届いている……尋常ではない……」
目を丸くしているミシャに、トウシは言う。
「信じられんってのはこっちのセリフや……あんた、超神化も使えんのかい……ま、まいったな……」
心底からダルそうな声で、
「正直、あんたが『神化』を使ってくる可能性は考慮しとったんやけど……超神化は使えんやろうとタカをくくっとった……」
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