センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
88話 俺は誰だ。ダレだ……だれだ……
88話 俺は誰だ。ダレだ……だれだ……
ドラゴンスーツを着た8名の神話狩りは、
『それぞれに出来る全て』をネオバグにぶつけた。
純粋に、教科書通りに、
練り上げた魔力とオーラを叩き込む。
――その結果、
「ぐ……ぬっ――」
ネオバグは、追い詰められていく。
どうやら、ネオバグは、フェイクオーラの性能が高いだけで、
能力自体は、そこまで高くなかった。
岡葉「いける! スピードもパワーも、そこまで大したことはない!」
ナツミ「ええ、これなら、いくらでも殺し切れます!」
「か、完全になった俺を! ナメるなよぉおおおお!」
追い詰められたネオバグは、そこで、一気にオーラを膨らませた。
圧力がさらに増す。
だが、それは一瞬の出来事で、
「あっ……ぁあ……ち、力が……抜けていく……なんで」
ふいに、ネオバグはフラつきだして、
「せ、生命エネルギーが……熔ける……きょ、共鳴率が足りない……いや、それ以前に、この殻(から)は、心も魂魄も脆すぎる……ぁあ、ダメだ……もたない……」
ついには、ガクっと膝から崩れ落ちたネオバグ。
そんなネオバグに対して、
神話狩りのメンバーは容赦なく、
「なんだか知らないけど、ピヨっている! いまがチャンス! 総攻撃ぃい!」
岡葉の合図で、全員が、最大級の火力をネオバグに投入した。
その結果、
「ぐっはぁああ!!」
断末魔を上げて、たおれこむネオバグ。
ボロボロの姿でピクリともしなくなった。
かなり、あっさりと倒すことができた現状を受けて、神話狩りの面々は、
ナツミ「なんだ、こんなものですか」
岡葉「楽勝!」
ツカム「最も難しい難易度とは思えないレベルでしたね」
虹宮「どうやら、おれたちは強くなり過ぎたらしい」
雷堂「ふっ……自分の才能が恐いわ」
味崎「やめろ、お前ら、フラグ建てんな!」
味崎の叫びも虚しく、
「ごぽっ……」
ネオバグが黒い血の塊を吐きだした。
全員が、一斉に警戒する視線の先で、
その黒い血の塊は、ウネウネとうごめきだし、
ネオバグの体を包んでいく。
黒い血に全身を包み込まれたところで、ネオバグは言う。
「……カルマトランスフォーム・モード『死夜の勇者』……」
すると、
カっと、黒く光り輝き、
気付いた時には、
味崎「……おいおい、なんか、すげぇヤバそうなスタイルにチェンジしちまったぞ……」
岡葉「こ、今度も見かけ倒しでありますように……」
ネオバグは、見る者の心をザラつかせる禍々しい姿となって復活した。
冷たくて黒い炎を纏う狂気的な姿。
――ネオバグは言う。
「意識が消えていく……俺だったはずの『何か』は消えてしまった。俺はもう俺じゃない……俺はダレだ……」
バッキバキの目で、
虚空を睨みつけ、
「俺は……世界の欠陥……その具現……不可避の歪み……」
血走った目で、よだれをたらしながら、
「……コスモゾーンを……喰らいつくすもの……コスモの影、コスモのひずみ、コスモの闇、コスモの――」
味崎「おい、やべぇぞ。コズミック・サイコになっちまった」
ツカム「これは、精神病院に丸投げ案件ですね。僕たちの出る幕はありません」
「俺は、コスモの……あ、あぁ……きぃぇえええええええええええ!!」
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
4114
-
-
381
-
-
1
-
-
147
-
-
15255
-
-
112
-
-
111
-
-
222
-
-
37
コメント