センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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79話 芝居?


 79話 芝居?

「お前を……死なせたぁないから……悩んでんねやろぉ……投げだすことができへんから……苦しんどるんやないか……それやのに――」

 と、そこで、
 ジュリアは、トウシの胸倉をつかんで、



「間違いなく、全員に『届いた』わ……あんたの言葉」



 この場にいる全員に聞こえるような声量で、そう言ってから、

「だから、もういい。見苦しいから、その汚い水を止めろ」

 そう言われて、

「……」

 トウシは、

「……あ、そ」

 そう言ってから、
 スっと顔をあげると、
 ピタっと涙を止めて、

「……余計な仕事をやらせてすまんかったのう……」

 そこで、トウシは、自分の胸倉を掴んでいるジュリアの手をどかして、

 身なりを整えてから、
 全員に視線を向けて、

「まあ、と言う訳で……ワシ一人では抱えきれん。『ミシャンド/ラ』と『神様』を倒す方法はワシが考えるとして……問題は、前哨戦の『VS 30000』の方や。そっちで、ワシは力を貸せん。当然やろ? そのあとで、ワシはミシャンド/ラとデスマッチせないかんからのう。無駄に体力を削るわけにはいかん」

 そこで、ようやく、全員が気付いた。
 トウシとジュリアの意思。
 伝えたかった事。

「お前らの力がいる。全員の意識の改革が必要や。ワシに頼んな。今回は、お前らのオモリはできん。自分の身は自分で守れ。というか、むしろ、ワシが『ミシャンド/ラと万全の状態で闘えるよう』に手を貸せ。そうやないと、勝てんで」

「「「「「「……」」」」」」

「返事せぇや。ワシはお前らのオモリをする気はないけど、一応、リーダーなんやろ? リーダーの訓示をシカトって、どういうことやねん」

 そこで、
 岡葉がハっとしたような顔になって、

「全員、わかったな! トウシくんがいないボクら90人で、30000を叩き潰さないといけない! トウシくんの言うとおり、意識改革が必要だ! 『トウシくんがいるから大丈夫』という精神状態じゃダメなんだ! トウシくんと一緒に! 戦うんだよ!!」

 岡葉の発破に、全員が、

「「「「「おおお!!」」」」」

 と、腹の底に響くような返事をした。

 それを見たトウシは、
 満足そうにうなずいて、

「ワシは、少し、独りでミシャンド/ラの対策を考える。さっきの闘いで、あいつの弱点は少しだけ見えたから、どうにかなると思うけど、まだ詰め切れてないから、時間をもらう」

「弱点をみつけた?! あの短時間で?! それは、いったい――」

「まず、ジャミが10人束になってもどうこう言うとったけど、あれは完全にただの嘘や。あれは、こっちの心を折りにきただけのただのブラフ。その証拠に、ギリギリやったけど、あいつの動きは見えとった。あいつを油断させるために、まったく見えてないフリをしてやったけどな」

「さ、流石、トウシくん! そ、それで、ミシャンド/ラの弱点というのは、具体的に?」

「ワシらの会話、どっから聞かれとるかわからへんのに答えられるか」

「……流石、慎重だね」

「ほな、わしは別室におる。なんかあったら声かけぇ」

 そう言って、講堂を出ていくトウシ。
 当然のように、その後ろをついていくジュリア。

「流石、トウシくんだ……全てが計算づくとは」
「一瞬、本気で崩壊したのかと思ったけど、流石にそんな訳ないか」
「トウシくんがそう簡単に壊れるだけないだろ」
「おい、それより、俺たち自身が強くなる方法を考えないと。トウシくんがいかに凄くても、さすがに、ミシャンド/ラの対処で精一杯だろうから、30000の携帯ドラゴンは、マジで俺達で処理しないと――」


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