センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
74話 止まってくれない地獄。
74話 止まってくれない地獄。
「……お前らがおらんかったら、出来んかった事……それは……まあ、事実……やから、まあ……その…………ありがとう……いろいろ」
そう言ったトウシの姿に、裏でキュン死しかけているジュリアの向こうで、
「デレた! トウシくんがデレましたよ!」
「私達、ついにトウシくんを攻略したのね!」
「エンディグだぞ、お前ら、泣けよ!」
他の面々も、トウシのデレに大はしゃぎしている。
――と、
そんな、弛緩したムードは、
「こんな状況だというのに、ずいぶんと楽しそうね」
背後から聞こえてきた声でピタっととまった。
反射的に、全員が、声のしたほうに振り返ると、
そこには、幼女体系の美少女が窓に腰かけていて、
「こんにちは。私は、三至天帝のミシャンド/ラ。あなたたちの次のイベント相手よ」
「……次の……敵……」
「あなた達というより……タナカトウシの敵と言った方が正確かしら。タナカトウシ以外じゃ、どう間違っても、私の相手はできないでしょうから」
と、そこで、岡葉が、
「ずいぶんな自信ですね。あなたはそんなに強いのですか? そうは見えませんが」
そう踏み込むと、
ミシャは、ニコっと微笑んで、
「確か、あなたは、『ジャミ』にボコボコにされていた子ね」
「……それが、なにか?」
「私達の組織の階級は、絶対的な神であらせられるモンジン神帝陛下を頂点とし、そのすぐ下に側仕えのアダムがいて、その下に私達、三至天帝、その下に、五聖命王があって、その下に九華十傑がある。つまり、ジャミは、私の配下の配下ってこと」
「「「「「……」」」」」
「それだけの情報じゃあ、具体的には分からないでしょうから、デジタルに教えてあげるわ。ジャミが5人束になってかかってきても私には敵わない」
「「「「「「……」」」」」」
「口だけの情報だと信じられないかもしれないから、本イベント開始前に、少しだけ私の力を見せてあげるわ」
そう言って、ミシャが指をパチンと鳴らすと、この空間がグニャリと曲がった。
そして、講堂だった部屋は、広い荒野になった。
「これはあくまでも余興。殺しはしないから……さあ、好きにかかってきなさい」
そう言って、ゆったりと両手を広げるミシャ。
見た目はただの小柄な少女だが、かもし出されている雰囲気はハンパではなかった。
この急な展開に、みな、逡巡していたが、
岡葉が、
「殺しはしない……というのは本当ですか?」
そう問いかけると、
「神に誓うわ。『この上なく尊い主』に立てた誓いを、私が破ることはない」
その態度を受けて、トウシは、
(この幼女も、結構な狂信者やな……)
心の中でそうつぶやいた。
岡葉が、
「では、遠慮なく、よろこんで……次のイベントの対戦相手……その実力を見せてもらうとしようかな。トランスフォーム!」
そう言って、携帯ドラゴンを纏う岡葉。
9階での稼ぎで、それなりの数のメンバーが、トランスフォームを入手しており、その割合は、だいたい30人くらい。
上位陣は、ほぼ全員がトランスフォームできるようになっている。
岡葉は、
ダっと地面を蹴りあげて、一気にミシャとの距離をつめると、
『右手に召喚した剣』を振り上げ、
「うらぁあああああ!」
血走った目でそう叫びながら、振り下ろした。
迷いのない、まっすぐな、力強い一刀。
コメント
キャベツ太郎
真さん
分かり身が深すぎて同一人物かと思いましたよ。
同一人物と言えば、私の前垢と長万部さんが同一人物説出てましたねww
懐かしい。
シーザー
やっと更新に追いついた…
トウシが神様をセンエースだと気づいた時の反応が凄く気になります。それ以前にトウシがセンエースだと教えてもらうなり、気づくなりするかわかりませんが。