センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
55話 トウシ禁止。
55話 トウシ禁止。
「三度目の課題は、二度目の課題と同時進行で行う。ちなみに言っておくが、神狼だと思う者を見つけたら、私に通報しろ。いつでもいい。もし、それが正解なら、神狼が減る。不正解なら、間違われた者が死ぬ」
「「「……」」」
「さて、では、三度目の課題の説明をする。――『みんなで力を合わせて攻略しよう、ドキドキ地下迷宮攻略』だ」
「「「……」」」
「この学校にはいくつか地下迷宮がある。凶悪なモンスターが出現する危険なダンジョン。貴様らには、これから、その地下迷宮の一つを攻略してもらう」
(((((……ああ、なるほど、その地下迷宮攻略における言動で人狼を見つけろってことか……)))))
「それでは、さっそく地下迷宮に向かおう」
と言って、アダムは指を鳴らした。
すると、気付いた時には、
(……あいかわらず、展開が急やなぁ……)
トウシたちは、地下迷宮の入り口前に立っていた。
――アダムが言う。
「この地下迷宮には、特別なルールがある。それは、」
――『現時点で強化値200%以上の龍』はこの中では使用不可。
「げっ……」
「トウシくんのエルメス……使えないってこと……?」
「つぅか、現状だと、200%以下なんて、ほとんどいねぇぞ」
「そうよね……9階でだいぶ育てちゃったから……みんな、だいたい200%はこえているわ」
「な、何人いる?! 現在、200%以下のやつ!」
そこで、チラホラと手が挙がる。
手を上げた者の数は3人。
『椿』。伊達。そして、『虹宮』。
「す、すくねぇ……」
「ちょっと待てよ、マジかよ……このルール、えぐいな……主力全員禁止って……」
「トウシくんも、暁(ジュリア)も、岡葉も、鈴木(ホウマ)も、佐藤(ツカム)も、蜜波(ナツミ)も、雷堂も、味崎も……」
「いや、他の人は、ぶっちゃけ、どうでもいいよ。トウシくん禁止っていうのが、とにかキツすぎる……」
「9階であれだけガチャをまわしたのに、200%すらこえていないという、ガチャ運が劇的に悪い3人に……俺らの命ぜんぶを託さないといけないとか……マジか……」
「……で、この3人の中に人狼がいたらどうする?」
「それも、2人とも混じっていて、実質、俺らの命が、残りの一人に託されるパターンだったら、どうよ」
「……どうもクソもねぇ。それ、完全に詰んでるじゃねぇか……」
と、そこで、
虹宮「安心してよ。おれは神狼じゃないから」
椿「ええ、私も神狼じゃないわ」
伊達「……まあ、人狼は全員、そう言うと思うけど……ていうか、この状況で『自分は人狼じゃない』っていう発言をしない人狼は、『すごいバカ』か『ゲームを投げているヤツ』かのどっちかじゃね?」
三人がそれぞれコメントを残す。
それを受けて、岡葉が、
「なんにせよ、椿さんたち三人に任せるしかない……」
続けて、トウシが、
「ワナとか謎ときとか、そういう『携帯ドラゴンの力を使わんでもどうにかなる場面』では、多少力になれると思うから、その時は頼ってくれ」
そう声をかけると、虹宮が、
「うん。そういう系は任せるよ」
グっと拳を掲げながら、そう言った。
そこで、アダムが、
「ちなみに言っておくと、この地下迷宮は入口がたくさんあるタイプで、例のカス30000人も、他の入り口から既に中へと潜入している。連中の中に200%を超えている者はいない。つまり、全員参加。30000という『数だけは多いカス共』の誰よりもはやくクリアできなければ、貴様らは全員死ぬ」
「な、難易度たけぇ……」
「常に、マストダイ……」
「……『3』VS『30000』……とか……正気かよ……」
「いいかげん、泣いていいかな?」
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