センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
50話 狂気のデスゲーム。
50話 狂気のデスゲーム。
腹を抱えて笑っているアダムと同じくらい、
モニター室では、神の王も、
「ふはは! 勝った! 勝ったぞぉ! 俺は、ついに勝ったぁ! それも、最も苦手な数学で! これは、完全な勝利だ! ひゃははは!」
愉快満点でガッツポーズを決めて笑い声をあげていた。
「いっつも偉そうにしやがって、あのクソガキが! ざまぁみさらせ! ひゃっほぉ! いぇい、いぇい、ごーごーっっ!」
「み、みっともない……『全世界で最も尊き神の王』ともあろう男が……中学生相手に……恥ずかしげもなく、アバターラのフル投入まで使って……」
「どこがみっともないんじゃい! ちゃんと書いてあるだろ! アバターラOKって! あいつも使えばよかったんだよぉ! あん? あいつには使えない? だからぁ? 俺だって、あいつと同じ頭脳は持ってませんけどぉ?! そっちの不公平は無視で、俺のアバターラ使用だけ文句を言うってのは、道理が通っていないんじゃありませんことぉ?!」
「……」
「だから、その目、やめろぉ!」
「しかも、それだけやって、結構ギリギリの勝利ってところが、もう……みてられまちぇん……」
「なんとでも言え! もはや、こうなったら、恥もヘッタクレもないわい! 長い神生の中で、暇つぶしに数学もかじっていて、ほんとによかった! あー、よかった! おかげで、勝てたー! わーい! はっはぁー!」
「……虚しくないでちゅか?」
「……わりとな」
★
試験終了後、しばらく待機と言われ、講堂で、それぞれの時間を過ごしている面々。
30000の中には、100点を取った者もチラホラいたのだが、100点に届かなかった者は、全員、トウシから点数をもらっているので、落ちる事はなかった。
が、しかし、坂本が消されたのを見たばかりなので、誰も安堵の表情などはしていなかった。
ふいに、岡葉が、
「正直、ヤバいね……ここから先、何回試験をやるのか知らないけど……もし、そのたびに、神様が介入してくるとなると……」
「正直、勝てへんな……流石、神様は格が違った。……仮に、なんかの間違いでワシが一位を奪取できたとしても、ぶっちぎりの二位に食い込んでくるんは間違いない……つまり」
「今後、ずっと、確定で最下位の一人は落ち続けるという事に……」
「10回、試験があったら10人……試験が91回あったら……全員死ぬ……」
「このデスゲーム、ほんまに殺意高すぎやろ……なんやねん……どんだけ、ワシらのこと、殺したいねん……」
「どうにか、対抗策を考えないと……」
「いや、これに関しては対抗策とかないやろ……これは積んどる……神様に、『頼むから、参加せんといてくれ。大人げないマネせんといてくれ』って頼むくらいしか方法はない……」
などと悩んでいるトウシたちの向こうで、
黒板に張りだされた結果を凝視している男子生徒が一人。
彼の名前は虹宮ケンジ。
田舎育ちで、地元界隈では神童と呼ばれていた彼。
だが、
(……ま、マジかよ……ど、どいつもこいつも、天才すぎるだろ……っ!)
結果を見て、愕然としていた。
『これまでのガチャ運』が壊滅的だった彼の携帯ドラゴンは、ハッキリ言って弱い(ログボガチャはそこそこだったが、トウシの『ソンキー』のように、一つあるだけで『別格』になれるような大当たりではなかった)。
しかし、『携帯ドラゴンの強さ云々』に関しては、
『運がなかっただけだ』と自分を慰めていた虹宮。
筆記のテストになれば、自分はトップ層だろうと思っていたが、
実際のところは、
(トップ層どころか……50番以内にも入っていない……数学は、どちらかと言えば、得意な方なのに……)
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