センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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27話 自己申告。


 27話 自己申告。

「この6階では、ステージ上以外で携帯ドラゴンの能力を使う事はできない」

 アダムの発言を受けて、
 岡葉たちが、苦い顔をして、

岡葉「えぇ、じゃあ、能力を測ることもできないってこと……めんどくさいなぁ……」
赤原「自己申告で行くしかないか……ちなみに、俺の携帯ドラゴンの強化値は87%だ」
雷堂「私は88%」
ホウマ「ぴよぴよ(117%)」
ツカム「僕は、109%です」
「俺の携帯ドラゴンは、強化値は70%と低いけど、結構な切札があるぞ」
「私の携帯ドラゴンは、皆のより、少し弱いから選ばないで。ていうか、仮に、一番強かったとしても、遠慮したい……全員の命を背負うとか、そんなプレッシャー、むり……」

 トウシたち以外の全員の自己申告が終わったところで、
 岡葉が、ナツミに視線を向けて、

「君は? スタート時点では君が一番強かったけど……今、現在のところはどんな感じ? 他の人たちは、街とか荒野で見かけたから、それなりに実力も把握できているんだけど、君は、しばらく見かけなかったから、まったくわかんないんだけど」

 トウシたち3人以外のメンツは、全員、
 『とりあえず、このゲームに慣れよう』
 と、一階の街付近でウロウロしていた。

 ボスを倒しても、特にアナウンスされるというワケでもなかったため、
 ここにいるメンツは、まだ、誰も、5階までのボスが討伐されていると知らない。

 ――ナツミが、

「……今の強化値は150%くらいですが……」

 そう答えると、
 岡葉はニコっと笑って、

「オッケー、流石だね。どこで鍛えていたのか知らないけど、とにかく、素晴らしい成長ぶり。君は確定だ。ボクも120%を超えているから、決まりでいいかな。あと、100%を超えているホウマさんと、ツカムくんも決まりだね……というわけで、あと3人」

 ブツブツ言いながら、そこで、ジュリアを見て、

「ぇと……君は? 最初の段階だと、結構、強かったよね?」

 ジュリアは数秒考えたが、

「……86%」

 フイっとそっぽを向きながら、素直かつ簡潔にそう答えた。

 この局面において、ジュリアの頭の中で、色々な考えがめぐっていたが、結局のところ、真の上位7名(トウシぬき)に任せるのがベストだと判断した。

 そんなジュリアに、

「そ、そう……教えてくれてありがとう。えっと……じゃあ……数字だけで選ぶと……板瀬くん(90%)と、雷堂さん(88%)と……味崎くん(92%)……ってところかな」

板瀬「俺はいいぜ。つぅか、俺をメンバーから外すんじゃねぇ」
雷堂「私も構いません。強化アイテム、欲しいですし」
味崎「俺は絶対に参加する。他人に命を任せたくない」

 勝手選抜メンバーを決めていく岡葉たちを見て、
 ナツミが、焦って、

「ちょっと待ってください。選抜メンバーには、絶対に、田中(トウシ)さんを入れるべ――」

 と、言おうとしたところで、
 トウシが、彼女の腕を引いて止めた。

「無駄や。やめとけ」

「なぜですか。あなたが出場すれば、確実に勝て――」

「岡葉はスタート時点でワシの偽装低能力を見とる。で、現在は確認も証明も不能。この状態で、ワシを選抜メンバーに組み込むことはできん。説得する材料がない。現状が、『誰もやりたがってない』『どうぞ、どうぞ』の状態やったら、ワンチャンあったけど……どうやら、あいつら全員、やる気みたいやし」

「で、でしたら、私が降りますから、かわりに――」

「そしたら、雷堂の次に強化値が高い赤原(87%)が選ばれるだけや」

「……」

「まあ、最初のイベントやし、『負けたら全員死ぬ』ってヤンチャな条件である以上、『ワシのチートがないとクリアできん難易度』って訳やないと思う……というわけで、まあ、がんばれ。ワシらの命、たくした」

「……わかり……ました」



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