センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
8話 神の王モンジン。
8話 神の王モンジン。
岡葉との情報交換を終えたあと、
トウシは、MDデバイスで、ここにいる100人の携帯ドラゴンのスペックをチェックしていた。
(まあ、だいたい、強化値50くらい……強いヤツで100前後……あの岡葉とかいうオカッパの携帯ドラゴンは、95……この中では最上位クラス。岡葉が言っていた鈴木ホウマと佐藤ツカムとかいう二人も、90オーバーと、相当強い……けども……)
そこで、トウシは、自分の携帯ドラゴンのスペックをチェックし、
(ワシのと比べたら屁ぇみたいなもんやな……てか、ワシのが強すぎる……なんや、この規格外の強さ……この、ソンキーっていうキャラパーツ、もしかして、大当たり中の大当たりなんか? それを一発で当てるとか……ワシの運命、ほんま大丈夫か……めっちゃ不安になってきた。ワシの優秀さが引き当てたっていう事なら、まあ、それはソレでエエんやけど、もし、ただの激運やったら、これ、ヤバ――)
などと、心の中でつぶやいていると、
そこで、
キーンコーン、カーンコーン
と、飽きるほど聞いてきた例の音がして、
直後、奥のステージに『小さな太陽』が出現した。
それは、まるで絵に描いた太陽みたいで、直視すると目が潰れるという類のものではなかった。
凄まじく明るいけれど、刺すような光ではなく、すべてを包み込むような輝きだった。
この場にいる全員の注目を集める小さな太陽。
その『小さな太陽』の上に、腰をかけた状態で、
『おそろしく高価そうな羽織を着た、17歳くらいに見える青年』が現れ、
「俺はモンジン。神の王だ。よろしく」
その快活な自己紹介を受けて、
この場にいる100人くらいの少年・少女は、心の中で様々な事を思った。
(……神の王……ねぇ)
(どんな自己紹介だよ……)
(まあ、確かに、オーラはすごいな……)
(神様、若っ……普通、神様っていったら、白いヒゲとか生やしている老人タイプじゃないの?)
(神か……神にも色々あるかなら。……デンデタイプかそれとも全王タイプか……)
「頭のいいお前らなら、言わなくても分かると思うけど、一応、全部、丁寧に説明しておく。お前らをここに呼んだのは、俺主催のデスゲームをやらせるためだ」
(どわぁ……デスゲームやらされる系かよ……)
(やっぱ、そうかぁ……『ここまでの流れ』と『雰囲気』的に、『そうじゃないかなぁ』とは予想していたけど……ガチだったかぁ)
(マンガとか映画ではよく見る状況だけど……マジで自分の身におこるとは)
(この神様、全王タイプだったか……最悪……)
「俺は、今日、ここに、日本の中学生を『3万人』ほど呼んだのだが、チュートリアルを突破できたのは、お前ら100人だけだ。お前らは素晴らしい。どいつもこいつも、非常に優秀!」
その発言を受けて、岡葉が、
「生き残ったのは100……じゃあ、残りの29900は……」
という疑問をなげかけた。
すると、モンジンは、ニィっと黒く笑って、
「当たり前だが全員死んだ。弱いやつは死ぬ。それが自然の摂理」
「ひ、ひどい……」
「ひどい? なにがだ?」
「あんた、命をなんだと思っているんだ」
「俺の所有物」
「……」
「俺のモノを俺がどうしようと、俺の勝手。そうだろう?」
「「「「「「……」」」」」
「はい。というわけで、これから、みなさんにやってもらうゲームの説明をしまーす」
神の王モンジンは、ニッコリと微笑んで、
「みなさんには、これから、あのタワーの攻略に挑んでもらいまーす。じゃじゃーん」
そこで、モンジンの後方に、巨大なタワーが出現した。
天高くそびえたつ、大きな塔。
「最上階の9999階に辿り着く事! それが君たちの最大の目標でーす」
「きゅ、9999……?」
「そう。一番下の1階から、一番上の9999階まで登り切ること。それが、このゲームのクリア条件。簡単だろう?」
「クリアしたら、生きて帰れるってこと……ですか?」
「はい、正解! かつ、クリアできたら、俺がなんでも願いを叶えてやろう」
「なんでも……」
「ああ、なんでもだ。『世界征服』でも『永遠の命』でも『これから地球にやってくるサイヤ人を倒してほしい』でも、なんでも叶えてやる」
「あんたは、シェンロン以上の力を持っているのか……」
「比較される事すら腹立たしい」
「……すげぇ自信……」
「さすが、神の王……」
「仮に、シェンロンの力を1とした場合、俺の力は1兆をかるく超えている。どうだ! 俺、マジでヤバくね?! ハンパなくね?!」
(とたんに、ただのイキっている高校生に見えてきたな)
(……あれ、自信があるんじゃなくて、頭が小学生なだけじゃ……)
(大丈夫か、あのニーチャン)
と、そこで、
「一つ質問です。生きて帰る方法は、それだけ……ですか?」
とある女子生徒が、そう質問した。
すると、神の王は、ニっと笑って答える。
「いや、他にも一つある!」
「それは?」
「俺の携帯ドラゴンを殺すことだ」
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