センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
9話 新たな扉。
9話 新たな扉。
「……な、なんだ……あのでかい扉……」
いぶかしげな顔をしているゴート。
その横で、リーンは、ゴートの視線を追うが、
「でかい扉? どれのことを言っている? 大きな扉など、ワシの目には見えんが?」
「……なに? 正気か? あんなデカ……」
そこで、ゴートは、自分の目の事を思い出す。
(まさか、あれが、『いままでは見えなかったもの』……か?)
「ラムド、やはり疲れているんじゃないか? 今日はもう休め」
「ん……ぇと……ぁあ……うーん……」
そこで、ゴートは、数秒だけ悩んだが、
「うん、そうだな。お前の言うとおりだ。ちょっと休暇をもらう事にする。その休暇を利用して、探検に出かけるとしよう」
そう言って、ゴートは、扉に向かう。
「ぉ、おい、ちょっと待て、ラムド。何を言っている? ほんとうに、頭、大丈夫か?」
扉に向かっているゴートの後を追うリーン。
扉の目の前まできたゴートは、
(さて……この中には、何があるのかなっと)
ワクワクしながら、
(テプの大当たりで見えるようになった扉だからな……おそらく、中はスーパーボーナスステージ……ザックザクの財宝か……それとも、特別な力か……)
扉を開こうと、手を押しあてた。
すると、その巨大な扉は、ギギギっと音をたてて、ゆっくりと開く。
カギがないと開かないなんて事はなかった。
中を覗き込んでみるが、黒いモヤがかかっていて、奥は見えなかった。
(……慎重にいくべきか? もしかしたら、フッキ級のバケモノがいるかもしれねぇ……いや、それはないと思うが……まずは、準備を……準備って何をだ? ……もし、ここがボーナスステージだったらどうする? もし時間経過で消失したらどうする? 奥に、フッキを倒せるアイテムがあるかもしれねぇぞ……)
と、ゴートが、数秒、グルグルと頭をまわして悩んでいると、
ふいに、扉の奥から、
ズォオオ!!
っと、吸引力がハンパない掃除機の吸い込み音のようなものが聞こえて、
直後、ゴートとリーンの二人は、
「うぉおっ! げっ!」
「ぇ?! なに? ちょっ、ラムド!!」
扉の中へと吸い込まれた。
それは、一瞬の出来事だった。
★
扉の中は、あまりにも異質だった。
ここにタイトルをつけるとするなら、『大魔王の城』が最も相応しいだろう。
RPGの勇者が、最後の最後に辿り着く最果て――そんな『雰囲気』がある場所だった。
荘厳で、優美で、けれど、どこか、おどろおどろしい。
そんな場所。
ゴートは周囲に視線を向けてみるが、『元の場所に戻るための扉』は見つからなかった。
そして、
(……確か、あの時、リーンも一緒に吸い込まれたはず……なのに、見当たらないのは、どういうことだ?)
どこにもリーンはいない。
(UV1に関しては、この扉に吸い込まれる時、接続が切れるのを感じた……ほぼ確実に、UV1は、ここにいない。だが、リーンは……おそらく、ここに引きずり込まれている……)
あくまでも感覚の話でしかなく、それが事実かどうかは分からない。
だが、
(いそいで探さないと……)
こころの中でそうつぶやきながら、ゴートは、リーンの行方を捜索する。
気配を探ったり視界を広げたりする類の魔法が、なぜか一切使えないので、自力で走り回って探すことになる。
その途中で、
『薄羽の生えた中型犬サイズの大きなサソリみたいなの』が、
ブブブっと音をたてながら、ゴートの頭上まで飛んできた。
その虫を見て、ゴートは、
「なぁ?!」
固まった。
血の気が引く。
その虫の存在値は、
信じられないことに、
『100000000000(1千億)』を超えていた。
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コメント
キャベツ太郎
最後の一文みた瞬間、バグやっ。て呟いてもたww