センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
8話 F絶図眼の取得。
8話 F絶図眼の取得。
――ショデヒとガイリューの二人が鬼の里に向かった、
と、ちょうどその時、
「テプ0時を過ぎたよぉ」
と、テプが出現した。
ゴートは、また、己の影に潜んでいるUV1の目をごまかすため、
テプが「テプ0――」と口にしたぐらいの時点で、閉鎖空間魔法を発動して、
UV1にテプが『本物』だということがバレないように配慮する。
(今度は二時間で出現か……今のところ完全にバラバラ。まだまだ法則は見えないな……)
と、心の中でつぶやいていると、
「一日一回の『ガチャルトホテプ・ガチャ』チャーンス。さあ、君は何を引けるかなぁ」
もう、テプガチャにもすっかり慣れてしまったゴートは、
さっさとテプを抱き寄せて、ササっと彼女の頬に口づけをする。
すると、
???のアリア・ギアス発動。
?????????????????????????????
当然のように、毎度毎度発動する異常事態。
当たり前のように、テプの右目が黄金に輝いた。
そして、一度、強烈に重たい光を、カっと放つ。
揺らめいて、ビキシィっと、世界全体にヒビが入るような音がした。
――ガチャルトホテプは、
「わー、おめでとぉおおお! ――て言うのも飽きちゃったよぉ。おにいさん、究極大当たりばっかりひくからさぁ」
などと言いながら、テプは、自身の右手を、ゴートの額に押しつける。
そして、ゴートに力をインストールしつつ、同時に情報を流しこむ。
その間、コンマ数秒。
「究極大当たりの内容は、『F絶図眼』の解禁だよぉ! F絶図眼は、究極大当たりの中でも、また、かなり上のほうだよ! その効果は、なんと、なんと、『見えなかったものが見えるようになる』だよっ」
「……なんだ、その意味のない説明は。せめて、『見えるようになったもの』の概要くらい教えて――」
そんなゴートの不満を、
「ふぁ~あ……じゃ、また明日ねぇ」
ぶったぎるように、テプは、いつものごとく、
あくびを一つはさんでから、この世から姿を消した。
「……はぁ……ったく」
テプを見送ることもなく、ゴートは、脳に叩き込まれた『F絶図眼』の情報と向き合う。
だが、
(おいおい、頭の中にある情報も、『見えないものが見えるようになる』しかねぇじゃねぇか。ナメてんのか。手抜きにもほどがあるだろ)
やれやれと溜息をついてから、ゴートは、閉鎖空間を解除した。
すると、
「――おい、聞いているか、ラムド。おい!」
と、リーンがゴートに話しかけていた。
ゴートが、
「ん、どうした?」
と、尋ねると、リーンがムっとした顔で、
「それはこちらのセリフだ。どうした? 急に黙りこんで、ボーっとして。何かあったか?」
「あ……ぃや……ちょっと考え事をしていただけだ」
「本当に大丈夫か? 無理をしすぎているんじゃないか? ここのところ、働きづめだろう。少し休んだらどうだ?」
「片腹いたいな。この程度を働きづめとは言わない。リーン、お前は、まだ本当のブラックを知らない」
「……は?」
「気にするな。ちょっと言ってみただけだ」
「どうやら大丈夫ではないようだな。すでに壊れているらしい」
「ははっ」
と、小さく笑いながら、
渋い顔をしているリーンに背を向けて、
窓の外に視線を向けてみた。
――すると、
「……あん?」
「ラムド、どうした?」
「……な、なんだ……あのでかい扉……」
それは、禁域の扉とよく似た、巨大な扉だった。
禁域にあるものより、一回りほどサイズは小さいが、外観だけはソックリだった。
もちろん、目の前に突如現れた扉が、禁域の扉に似ているかどうかなど、ゴートには知る由もない事だが。
コメント
紅月
……テプガチャ一回でいいから引きたい