センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

7話 テスト。


 7話 テスト。


「――ラムドアイズは、間違いなく最強のラムドカード。別格の切札。まあ、とはいえ、スリーピース・カースソルジャーよりは弱いけど。……『スリーピース・カースソルジャー、どんだけ強いんだよ』って感じだよな。『ラムドアイズ』と『カースソルジャー』も、見たいっていうなら見せてやってもいいぜ。どうする?」

「……いい」

「あん? 聞こえねぇ」

「もういい……服従する……」

「口の利き方がなっていない。死にたくないなら、タメ口きくな。俺はお前の同僚でも友人でもない。立場をわきまえろ」

 叱られたガイリューは、一度、グっと強く奥歯をかみしめてから、
 両目を閉じて、力を抜き、

「……俺は……これから……どうなる……のですか?」

 力なく、そう尋ねてきたガイリューに、
 ラムドは言う。

「これから、世界はまとまっていく。お前は、そのための歯車になる。お前だけじゃなく、俺も含めた全員がな」

 と、ラムドがそう言った時、





「……素晴らしい……」





 この空間の隅に、突如、スゥっと、細身のダークエルフが出現した。

 そのダークエルフは、恭しく頭を下げて、

「お初にお目にかかります。ラムド様。わたくし、妖精の都で代表をしております。ショデヒと申します」

 急に現れたその『招かれざる客』に対し、
 ラムドは、特に感情を見せず、
 たんたんと、

「……ん、で?」

 そう尋ねると、
 ショデヒは、ニっと微笑み、

「あまり驚かれてはいない御様子。もしや、私が隠れていた事に気付かれておいでで?」

「ああ。最初からな」

 その発言を受けて、
 ショデヒは、大げさに、

「な、なんとっ! ……流石でございます、ラムド様!」

 驚いてみせてから、しゅくしゅくと、

「まさか、屋根裏に隠れていた時から発見されていたとは……」

 と、そう言ったところで、
 ラムドは、面倒臭そうに溜息をついて、



「俺を試すな、鬱陶しい」



 ――そこで、はじめて、

「……っ」

 ショデヒは『本当に驚いた顔』をしてみせた。
 そんなショデヒに、ラムドは言う。

「俺は、『お前が今朝からずっと、俺を監視していた事に気付いていた』と言ったんだ。お前の子分が周囲に五人ほど隠れているのも知っている。他にもいくつか知っている事はあるが、全部言っていくか?」

 少し強めのオーラで威圧するラムド。
 そんなシッカリめの圧力を受けたショデヒは、

「……ラムド様……あなた様は今……私が『あなた様を試すかどうか』を……試されましたね」

 額に重たい汗を浮かべてそうつぶやくショデヒに、
 ラムドは、あっけらかんとした顔で、

「だったら?」

 そう尋ねると、
 ショデヒは、ニコっと微笑んで、

「完璧でございます。私の上に立つ御方に相応しい」

「あ、そ。で? そろそろ本題に入れ」

「私は、妖精の都を、完全に掌握しております。私の決断が、妖精の都の総意だとご理解いただきたく」

「知っている。で?」

 そこで、ショデヒは、スっと片膝をついて、

「わたくしを、ラムド様の配下の一人に加えていただきたく存じます」

 頭を下げてそう言ったショデヒに、ゴートは、まるで、最初から決めていたかのように、

「条件がある」

 そう言うと、ショデヒは、待っていましたとばかりに、

「なんなりと」

 と即答する。

「鬼の里を、限りなく無傷に近い状態で魔王国の下につけてこい。補佐としてガイリューを連れていく事を許可する」

 その命令に対し、

「かしこまりました」

 自信満々の笑みで即答し、

「すぐにカタをつけてまいります」

 そう言うと、ショデヒはスっと立ち上がり、

「さあ、いきますよ、ガイリュー」

 言われて、ガイリューは、

「……ぁあ」

 力なくそう返事をして、ショデヒの後ろについていった。
 もはや、色々と諦めた顔をしていたガイリュー。

 時代の変化に戸惑いを覚えながらも、
 しかし、どこかで、ガイリューは、
 『面白くなりそうだ』とも感じていた。

 どう変わっていくのか、まだ分からないが、しかし、
 『ラムドを中心に変わっていく世界で踊るのも楽しいかもしれない』と、
 そんな事を思ったガイリューだった。


 ★


 ――ショデヒとガイリューの二人が鬼の里に向かった、
 と、ちょうどその時、


「テプ0時を過ぎたよぉ」


 また、チートタイムが訪れる。

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