センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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33話 究極超神化7の御披露目。


 33話 究極超神化7の御披露目。

 『分身セン89976778号』が発見した毒沼に辿り着くと、
 センは、さっそく、




「アルテマ・トランスフォーム!!」




 携帯ドラゴンを用いた究極変身をなす。
 神々しく輝く圧倒的な力。
 まるで、神気のオーダーメイド。

 その状態で、センは、拳に神気を集中させると、

「おら、開け、ぼけぇ!」

 次元に断裂をつくろうと、虚空に殴りかかった。
 が、

「おっと……生意気にはじきやがるか。俺が開けと命令したら、黙って開くのが世の摂理だと、その身に教えてやろう」

 そこで、センは両手を合わせて、

「――神化――」

 輝く神になるセン。
 携帯ドラゴンの特質により、大幅な強化を受けた状態での神化。
 その膨大に膨れ上がった力で、次元に穴をあけようと拳を振るうが、

「……かたいな……」

 どうやら、強固なバリアが張られているようで、
 神化したセンでも、突破はできなかった。

「禁域の扉を思い出させるじゃねぇか……」

 センが全力の一撃を放っても、キズ一つつける事ができなかった謎の扉。
 それを彷彿とさせる硬さ。

「だが、軋んでいる音は聞こえているぞ……『あの絶対的不条理(禁域の扉)』とは違い、お前は壊せる。そうだろう?」

 答えなど、当然返ってこない。
 だが、センは言う。

「P型1号がショボすぎて、結局のところ、俺の怒りは消化不良で終わっちまった……そのくすぶりを……お前で晴らしてやる。俺の八つ当たりに、震えるがいい」

 そう言ってから、
 静かに息を整えた。

 深き世界の底で、とてつもなく荘厳な気血が満ちていく。
 溢れて、零れて、
 だから、また器が出来あがる。
 運命が調律されていく――



「――*究極超神化7*――」



 簡易バージョンの『究極超神化7』。

 コンパクト化された昂(たかぶ)りが紡ぐ限定神域。
 それでも、まばゆく煌々と輝く光の結晶。
 静寂の中、淡い輝きに包まれているセン。

 背負っているのは、アストラル神字が浮かぶ後光輪。
 黒銀の結晶がちりばめられた究極超神気。
 荘厳な煌めきを圧縮させたような、どこまでも静かなオーラ。

 かなり出力を落とした『簡易バージョン』だが、
 携帯ドラゴンの存在値補正を受けているので、
 P1と闘ったあの時よりも、オーラの総量は多い。

 留まる事を知らない、絶対神は、
 しなやかに、
 両手を次元層に向けて、


「――\/【【 華流真(かるま)・零羅(れいら)・亜異次元砲(あいじげんほう) 】】\/――」


 究極超神センエースの魂魄に内包されているオーラの凝縮。
 ほとんどバグったような神気を圧縮させ、
 それを一気に放出させる必殺の破壊光線。

 コスモゾーンの法則によってコンパクト化されていなければ、余波だけでも、全世界が消滅してしまうであろう、圧倒的なエネルギーの暴走。


 その一撃を受けた次元断層は、みるみるとはがれていき、
 ついには、

 ――グニィイイイイ、
      バチィイイイイイ!!

 と、空間ごとはじけ飛ぶような奇怪な音が炸裂。


「よし……開いた、開いたぁっと。けど、まあまあギリだったな……ぶっちゃけ、この世界に転生したばかりの頃だったら絶対に開けられない強度だった……」

 センは、ボソボソと、

「丁寧なフローシートがチラつく道筋……まるで、誰かが、俺というキャラを使ってゲームをしているかのような……いや、それはニュアンスが少し違うな……俺をコントロールしているというよりは、環境設定値の調節による多動シミュレーション……」

 頭をまわす。
 世界の奥底を推察しようとする。

(少しだけ見えてきたな……おそらく、『俺』は『必要』とされている……)

 ほんの少しだけ見えた世界の舞台裏。
 しかし、

(だが、『誰が、何の目的で、俺を必要としているのか』については、さっぱり分からない……もう少し情報を集める必要があるな)

 心の中でつぶやきながら、センは、次元裂に近づいていく。

 念のため、究極超神化7を維持したまま、
 センは、開いた次元裂の奥を覗き込んだ。

 何も見えなかった。
 ただ、『妙な気配』を感じるだけ。
 つまりは、『もっとも警戒心を煽られるパターン』ということ。


(……かなりヤバそうな感じはしているな……今の俺なら、どうにかなるとは思うが……)


 そこで、センは、後ろを振り返って、

「ちょっと中を見てくる。お前らは待ってろ」

「なんで、オイちゃんがお兄ごときの命令を聞かないといけないんでちゅか」
「私は、どこまでもお供いたします、主上様の御側を離れる気はございません」

 そう言って、当り前のようについてこようとする二人。
 そんな二人の揺るがない顔を見て、センは、心の中で、

(ああー、もう……めんっどくせぇなぁ……なんで、俺、こんなダルい女どもを好きになっちゃったんだろうねぇ。『こいつらに対して』よりも、『こんな変態どもを好きになった自分』にイラつくぜぇ。もっと楽な女に惚れてくれよ、俺、頼むから。ああ、ダルいわぁ……ウザいわぁ……)

 と、自分に対して文句をタラついてから、
 一度、スゥウっと息を吸って、

(いまさらグダグダ言っても、仕方ねぇ……『こいつらに惚れている俺』をどうにかする事は不可能。ならば、その前提を踏まえた上での対策をたてるしかない)

 スゥと呼吸を整えてから、

(何かあったら、俺が守ればいいだけの話……つぅか、こんなビビんなくても、『今の俺』でもどうしようもない敵とか、流石にいねぇだろ……まあ、仮にいたとしても、その時は、今の俺を超えればいいだけのこと……なんの問題もねぇ。俺より強い程度のザコに、俺は負けない)

 強い決心をして、
 二人と共に、センは、次元裂の奥へと足を踏み入れた。


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