センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
26話 カッコイイところ。
26話 カッコイイところ。
ついに、裏ステージに突入する事になったセンたち。
ここは、きらびやかな表のステージとは違い、
魑魅魍魎がはびこる、闇の魔窟。
稀代のギャンブラーが、獲物に食らいつくチャンスをねらっている黒炎の坩堝。
そんな絶色の鉄火場に、
センたちは、果敢に挑む!
「さて、シューリ、お疲れ。ここからは、もう見物してていいぞ」
「ん、どういうことでちゅか?」
「ここからは、別に、お前のチートは必要ないってこと」
そこで、センは、アダムに視線を向けて、
「アダム」
「はっ」
「今から、俺、あそこの闘技場で試合してくるから、俺が勝つ方に、全額を賭け続けろ」
「しゅ、主上様の御手を煩わせる必要などございません。そのような些事は、わたくしめにお申し付け――」
「運動したい気分なんだよ。ハルスごときに負けたストレスを解消してくる。お前は、黙って、俺が勝つところを見てろ」
「……はっ!」
そこで、センは、意気揚々と、闘技場ステージへと向かう。
(スマホゲーの時は、格ゲーをやらされたんだよなぁ……くく……なつかしいねぇ)
『アイアンなフィスト的なアレ』とコラボした事で追加された格ゲー要素。
純粋に格ゲーが強ければ強いほど『多くの賞金が稼げる』という、尖ったシステム。
それが、現実化した事で……
『この闘技場では、こちらがお渡しする【カジノ専用携帯ドラゴン】と【トランスフォーム】していただき、その状態同士で一騎打ちをしていただきます。ちなみに、トランスフォームとはこんな感じです』
目の前でサクっと実践してくれる、このカジノの案内係を務めているAI。
※ カジノ専用携帯ドラゴンには、所有スキルとして『トランスフォーム』が積まれているので、魔カードを使った時のように『一度しか使えない』というわけではなく、いつでも無限かつ自由に変身することができる。その仕様は、カジノ専用携帯ドラゴンの特権ではなく、☆9の高レアリティ強化パーツ『トランスフォーム』を入手すれば、誰でも積むことができる。
――『トランスフォーム』がどのようなものか理解したセンは、
(トランスフォーム……なるほどね……スマホゲーの時は、人型に変身した携帯ドラゴンで格ゲーするって仕様だったが……現状だと、俺自身が携帯ドラゴンと合体するって感じなのか……)
『お選びいただける携帯ドラゴンの種類は、最弱の【D】~最強の【SSS】までございます。選んだ携帯ドラゴンのスペックが低ければ低いほど、獲得できる賞金、賭けのレートが上昇します。どの携帯ドラゴンを選択しますか?』
「じゃあ、番外の『D-』を選択する」
『……よろしいのですか? 【D-】のスペックは――』
「説明はいらない。どれだけ弱くとも問題はない」
『……かしこまりました』
「さぁてと……ここ最近の俺は、シューリとアダムに、無様な姿ばかり見せちまっているからなぁ。P型とかいうワケのわからんヤツに好き勝手やられ、ハルスごときに負けて、シューリの腕を変態面で揉まされて――」
「最後のは、お兄が勝手にやっただけでちゅけどね」
シューリの言葉をシカトして、センは続ける。
「とにかく、ここ最近の俺は、ほんと散々だ。ここらで、ちょっとぐらいはカッコイイところを見せておかないと、いいかげん、愛想をつかされちまう」
そこで、センは、ググっと柔軟をして、
「というわけで……今日は、ちょっとマジでいかせてもらう……」
★
『トランスフォーム機能が積まれたD-の携帯ドラゴン』を受け取り、
闘技場に降り立ったセン。
二分ほど待つと、
奥から、筋骨隆々の男が登場して、
「……見た事ないツラだな。ルーキーか?」
「んー、そうでもない。こことは違うカジノで、何度か、このゲームに挑戦した事がある」
「……『何度か』……『ゲーム』……ねぇ……ふん」
「おやおや、何か言いたげだねぇ」
「俺は、20年を超える長き時間、この『果てしなき闘い』の中であがき、もがいてきた」
「へ~」
「武の答えを求め、一流の戦士たちと、命を磨いてきた……貴様のような、お遊び感覚の輩とはわけが違う」
「そっすか」
「研鑽につぐ研鑽……その果てに辿り着いた極みを見せてやろう」
「そりゃあ、楽しみだ」
「……そのふざけた態度でいられるのも今のうちだ」
「ふざけた態度? え、そう? けっこう、ガチなんだけどなぁ……けっこうっていうか、かなりガチ」
「……ちなみに、貴様は、トラバト歴、何年だ?」
「この戦い、トラバトって略すんすか? へぇ、マジ卍っすね」
「さっさと答えろ」
「トラバト歴は浅いっすねぇ……けど、ゲーム歴なら長いっすよぉ」
そこで、センは、ニコっと微笑み、
「俺の『ゲーム歴(人生経験)』は200億1万年。どうすか、なかなかの数値でしょ」
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コメント
キャベツ太郎
人生をゲームと捉えている精神異常者を発見。早急に対策を要求する。
閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中
ありがとうございます!
すごくうれしい!
まだまだがんばりますよーw
ノベルバユーザー341563
毎日楽しみにしています!
2話更新頑張ってください♪