センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
23話 カジノ殺し。
23話 カジノ殺し。
カジノに辿り着いたセンは、きらびやかなカジノの外観を見ながら、
「きたぜ、ヌルリと」
ボソっとそうつぶやいてから、
「1000MDPさえあれば、CMDPチップが買える! つまり、勝負できる。ふふん。カジノよ。貴様に、絶望を教えてやる。――ウチの師匠がなぁ!」
黒く微笑んで、
「というわけで、姉さん、おなしゃーす」
腰を90度に曲げて、シューリに丸投げするセン。
そんなセンの姿を見たシューリは、
「あー、なんだか、肩がこりまちたねぇ」
言いながら首をまわす仕草をとった。
センは、ひきつりながら、
「へ、へへへ、姉さん、これでどうでやすか」
シューリの背後にまわり、彼女の肩を揉み始める。
センの献身を受けて、シューリは、まんざらでもない顔で、
「悪くないでちゅね」
「光栄でげす」
「ま、よくもないでちゅけどねぇ。お兄は、マッサージの才能も当然ゼロでちゅから」
「……くっ、この脳漿炸裂女がぁ……」
「ん、何かいいまちたか?」
「いえ、なにも……ただ、『女神様の肩を揉ませていただけている』という事実に感涙しているだけでございやす」
「本当にお兄は、史上最高に幸運な男でちゅねぇ。オイちゃんの美しい肩を揉める男は、世界広しといえど、お兄くらいでちゅよ」
「ですよねー、あはは」
「あー、なんだか、喉がかわきまちたねぇ」
「少々お待ちを」
そう言いながら、アイテムボックスから、シェイカーセットやフルーツ等をとりだし、即席で、シューリの好みドンピシャのカクテルをつくり、
「こちらでよろしいでしょうか、世界一麗しい女神様」
うやうやしく献上するセン。
「色味が悪いでちゅねぇ。腕の悪いバーテンでちゅ」
「ぐっ……このアマ……オホンッ…………さ、さて、姉様……そろそろお仕事の御時間で――」
そんなセンの言葉を、
シューリは、優雅にカクテルを喉に流してから、軽やかに遮って、
「あー、なんだか、永遠の服従を誓う世界最強の奴隷が欲しいでちゅねぇ」
「調子にのんな! この腹黒女神が!」
ついにキレてしまったセンの横で、
アダムが、
「シューリ、いいかげんにしろ。見るに堪えん。貴様以外が同じ事をやったら万回八つ裂きにしても足らん所業だ」
鬼の表情でシューリを睨みつけてそう言った。
「この程度の奉仕じゃ、全然モノたりないでちゅけど……まあ、いいでちゅ」
そう言うと、シューリは、
「さあ、行きまちゅよ」
ズンズンとカジノの中へと入っていった。
中は、外観以上にギラギラしていた。
ネオンで目がやられそうなほどの派手な装飾。
シューリは、
入口付近にある換金所で1000MDPをコイン1枚と交換した後、
迷いなくルーレットに直行し、
「じゃあ、赤の7に1000」
「赤の7だな。了解」
当たり前のようにオールベット。
シューリの神託を受けたセンは、虎の子の『コイン1枚』を、迷いなく、赤の7にセット。
ディーラーのお姉さんがゲームを開始すると、
彼女の手から放たれた小さなボールが、シュゥゥゥと音をたてて円を描く。
ある程度まわったところで、減速し、
ついには、カンカランと乾いた音をたて、
「RED7!! 素晴らしい! おめでとうございます!!」
アッサリと、当り前のように『大当たり』を出して見せる。
ディーラーが、大量のコインをこちらに差し出してきた。
その光景を見たセンは、
歪んだ笑みを浮かべ、
「さっそく、36000MDPゲェット! げひゃひゃ! こっちには、カジノの天敵、幸運の女神がついてんだ! ついてるっつぅか、幸運の女神が直にプレイしてんだ! 負けるわけがねぇ! てめぇらは死ぬ! 絶望を数えながら死に狂う! げひゃひゃ」
「とても『命の王』とは思えないゲスさでちゅねぇ」
呆れ顔のシューリの言葉はシカトして、
センは、そのままウハウハ顔で、
「さあ、姉上! 続けて、GO、GO! 次は、上限いっぱいの3万でいきやしょう!」
自重を忘れた神々の暴走。
シューリも、ここで止まる気はないようで、
「じゃあ、黒の8に30000で」
迷いなく、『36倍に賭けられる上限一杯』である『3万MDP(黒か赤にかけ場合は500が上限)』を投入する。
「黒の8でげすね! 了解でやんす!」
そう返事をして、センは、ディーラーから受け取った1万用のコイン3枚をベットした。
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