センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

19話 15万MDPの使い道。


 19話 15万MDPの使い道。


(この二次試験では、魔力やオーラの量よりも、『頭の使い方』や『適応能力の高さ』がモノをいう……先に潰しておきたいところだが、『どうせ、いずれは出世するであろうあいつ』を敵に回すのも得策とはいえない……)

 ハルスは、いろいろと考えた結果、

(……『今の俺の状態(魔人になってしまって、暴力規制がかかっていて、スカンピン)』を考えると、冒険の書は絶対に必須……落ちる訳にはいかねぇ。となると、ここは、やはり交渉を望むべき。あいつとチームを組むってのも悪くない選択肢だ……)

 『自由』が許される状態なら、絶対に選ばない道だが、今の切羽詰まった状況を突破するための『一時的な対処』として――と、ハルスは、妥協の道を探る。

 妥協というと聞こえは悪いが、これは、あくまでも、
 『どのルートを選択するか』という話でしかない。


(また、どこかでぶつかる事があったら、その時、声をかけてみるか……決裂するなら、まあ、それはそれで構わねぇ。俺が日和(ひよ)るのはここまでだ。これ以上の妥協はできねぇ。その境界線を超えてしまえば、俺が俺でなくなってしまう。それだけは許せねぇ)


 いろいろと遠回りしながら、
 結局、ハルスは、
 ハルス・レアイード・セファイルメトスとしての『らしい決断』を下す。

 ――と、そこで、ゼンが、


「で、その15万をどう使う?」


 と、ハルスに声をかけた。
 その問いを受けて、ハルスは、迷いなく答える。

「お前から話を聞いた限りだと、ガチャってやつにつっこむのがベストな気がしないでもない」

 そう言ったハルスに、シグレが、

「店をめぐって、掘り出しモンを探すのも悪ぅないと思うで」

 スマホゲーの時は、店の商品は、ランダムで変わっていた。
 基本的にはゴミアイテムしか売っていないが、たまに、レアアイテムを売っていることもあった。
 もちろん、店で売っているものは、課金ガチャで当てられる強化パーツよりは劣るものばかりなのだが、費用対効果だけに焦点をあてて考えれば、実は、そこまで悪くはない。

 ゼンは、そこで、

「カジノで増やすのも悪い選択肢ではないんだけどな。ルーレットがあるから、モンテカルロ法で確実に利益をあげられる」

 携帯ドラゴンのカジノのルーレットは、『二倍~三倍賭けした際、通常よりも、かなり当たりやすい仕様』になっているため、特定の賭け方をすると、容易に稼げるようになっている。
 ただ、2倍~3倍で賭けた場合、最大ベット額が少なくなるため、大きく稼ぐのが難しい。

 それなりの『まとまったMDP』を入手しようと思うと、
 一日に5~8時間くらいはプレイしないといけない。
 ※ これは、スマホ版に限った話だが、カジノプレイ中は、常に、大量の広告が出続けるため、かなり鬱陶しい。

「2~3倍バグがそのままなら、一日で一万~五万は稼げるぞ」
「手堅く行くつもりなん? せやったら、状況的に、カジノは効率悪ない? 時間かかるし、いくら稼いでも、カジノ用のアイテムしか買えんし」

 実は、カジノで稼いだMDPで買えるのは『カジノの景品』だけであり、
 『カジノで稼いだMDP(通称、CMDP)』でガチャをまわす事はできない。
 ――ただ、


「序盤ビルドだと、カジノ用のアイテムは必須なのが多いぞ。『サウザンドピース(携帯ドラゴンの容量が1000アップ)』とか、初期構築だと、それがあるかないかで、難易度がかなりかわってくる」

「時間的な余裕があったらエエんやけど、現状やと、カジノで時間かけとる間に、まわりはどんどん強なっていくからなぁ……」

 二人の話を聞きながら、ハルスは、出そろった意見をまとめるように、

「店を回りながら、適度にガチャを引きつつ、それなりの結果が出たら、ダンジョン等にいってみて、その力を試しながらアイテム回収。もし、結果が悪ければ、いったんカジノに挑戦……って感じがベストか」

「ああ、うん、まあええんとちゃう?」

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