センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
51話 義務。
51話 義務。
「お前たちは全員、文句なく合格だ」
その発言を受けて、ボーレが歓喜の表情を浮かべ、
「マジでかああ! しゃああ! 龍試、突破ぁあ! いける! 学士とれる!」
と、喜びを叫んだ。
だが、その喜びは、
「お前たちは素晴らしい。というわけで、冒険者試験の二次に参加する『義務』を与える」
教師のそんな発言でピタっと止まる。
「義務? ……ん? どういうこと? 『権利』じゃなく義務?」
教師は続けて、
「分かりやすく言ってやろう。今回の龍試をクリアした者は、無条件で冒険者試験の二次を……『受けなければならない』んだよ。これは絶対的強制だ。頑として不参加の意思を示し続けるのも結構だが、しかし、その場合は容赦なく退学処分とする」
その発言を受けて、ピーツ以外の全員が、わかりやすく渋い顔をした。
ピーツからすれば、願ったりかなったりだが、
カルシィたちからすれば、冒険者試験など、冗談ではない面倒。
貴重な時間を『ただ潰すだけ』のウザイベントでしかない。
ボーレは、
「……ちっ、まあいいや……とりあえず、強制だっつぅなら、一応、参加はしてやる。そのかわり、テキトーに流して、さっさと落ちて――」
と、考えていた、
――が、
「ちなみに、二次でふがいない成績を出しても退学になるから、そのつもりで」
教師のその言葉で、ボーレは、愕然とする。
「ふ、ふざけんなよ、おい……二次くらいなら、ぶっちゃけ、よっぽどウゼェ試験じゃない限り、どうにか出来るだろうけど……だ、だりぃ……つぅか、退学連呼しすぎだろ。どんだけ辞めさせてぇんだ!」
★
教師からの『冒険者試験の強制参加命令』を受けた直後、
カルシィが、ピーツに、
「助かった。感謝する。君がいなければ死んでいた」
「……いや、俺がいるだけじゃダメだったんじゃないですかね。たまたま、奇跡的なアイテムが身近にあったってだけで……」
「それはもちろんそうだが、アイテムがあろうとなかろうと、それを使おうとするかどうかは、また違う話だ。君は、私達を囮にして逃げる事もできた。だが、君は、あれほどのアイテムを、迷いなく、私達を助けるために使おうとした。その事に感謝できないなら、私は人間をやめる」
「まあ、好きにしてくれていいんすけど……実際、マジで、感謝されるほどの事じゃないですよ。いくら、いいアイテムがあっても、使い道を間違えば意味がない。そういう意味でいえば、あの瞬間は、最高のタイミングだった。おかげで、個人的に最良の結果を得られた。……それだけです」
「君は、なんというか、アレだな……面倒臭い性格だな」
「お互い様だと思いますよ、わりと」
そう言って、二人は互いに笑った。
ひとしきり、笑顔をかわしあった後で、
カルシィが、
「……どうだ? 冒険者試験でもチームを組まないか?」
「俺、もう、特殊なアイテムとかないですけど?」
「二次『経験』者と、二次『突破』者では、この先の人生で得られる恩恵が段違いだ。命を救ってもらった礼として、君が三次まで進めるよう、少しだけ手助けをしてあげよう」
「……んー」
『めんどくせぇなぁ』とは思ったが、
『龍試での護衛』を『断り切れなかった』のと同様、
カルシィの愚直な好意を、どうしても無碍(むげ)にはできなかったピーツは、
「じゃあ、まあ、はい……よろしくお願いします」
「ああ、よろしく」
と、そこで、
ボーレが、
「うんうん」
『長年連れ添ってきた親友ヅラ』で、ピーツの肩を抱き、
「古龍殺しチームで冒険者試験に挑むとなれば、二次突破は余裕だな。この五人で、頑張ろう! この五人は最強だ! 五人いれば、こわいものはなにもない! なによりも、五人っていうのがいい! 五人ってところがミソだ! この数字が素晴らしい! な! そうだろう?!」
またもやシレっと寄生しようとしているボーレ。
ピーツは、『うぜぇなぁ』とは思いながらも、
(まあ、でも、こいつがいなかったら、携帯ドラゴンを入手できなかったしな……)
と、思い、ボーレの事はテキトーに流す事にした。
(それに、こいつは、『信じられないくらいの狂気的なキ○ガイ』ってだけで、実力がないワケじゃないから、足でまといにもならないだろうし……)
こうして、古龍殺しチームで挑む事になった冒険者試験二次。
はたして、どうなる!
「ファンタジー」の人気作品
-
暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが-
4.9万
-
転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~-
7万
-
クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!-
4.8万
-
異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~-
2.3万
-
妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~-
1.6万
-
劣等眼の転生魔術師 ~ 虐げられた元勇者は未来の世界を余裕で生き抜く ~-
1.1万
-
勇者になれなかった俺は異世界で-
2.4万
-
引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―-
2.3万
-
転生貴族のハーレムチート生活【120万pv突破】-
5.5万
書籍化作品
-
ヴェルシュタイン公爵の再誕~オジサマとか聞いてない。~【Web版】-
93
-
Pessimist in love ~ありふれた恋でいいから~-
444
-
悪役令嬢の怠惰な溜め息-
161
-
異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~-
23260
-
勇者の出番ねぇからっ!!~異世界転生するけど俺は脇役と言われました~-
147
-
賢者への軌跡~ゼロの騎士とはもう呼ばせない~(旧題:追放された重装騎士、実は魔力量ゼロの賢者だった~そのゼロは無限大~)-
381
-
【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~-
-
3433
-
-
えっ、転移失敗!? ……成功? 〜ポンコツ駄女神のおかげで異世界と日本を行き来できるようになったので現代兵器と異世界スキルで気ままに生きようと思います〜-
1980
-
冷たい部長の甘い素顔【コミカライズ連載中】-
971

コメント
コメントを書く