センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

50話 あらたな決意。


 50話 あらたな決意。

 ビリビリと膨れ上がっていくエネルギー。
 その力は、


「――ひぃい!――」


 古龍を下がらせた。
 原始的な生存本能を刺激された古龍は、

「――ひゃ、ひゃああああ!――」

 悲鳴をあげながら、あわてて翼を広げ、逃げようとする。

 飛び去っていこうとする古龍の背中に、

「よくも、俺の先輩をいじめやがったな。逃がすわけねぇだろ、ぼけぇ」

 右手をロックオンして、


「ディザスター・レイ」


 先ほどの古龍の照射とはレベルの違う強大な照射を放つ。
 空間を食い殺すようなエネルギーの暴走。
 容赦なく駆け抜けていく光の渦(うず)。



「――ギャァアアアア――」



 照射に飲み込まれ、瞬殺された古龍。
 後には、チリ一つ残っていなかった。

 その様子を見ていたカルシィたちは、


「「「……」」」


 そろって唖然としていた。
 自分たちがまったく相手にならなかった古龍を一撃で倒した『その強大すぎる力』に、ただただ呆けてしまう。

「ん……おっと、解除されちまった……使える時間、短ぇ……」

 ディザスター・レイを撃った事で、エネルギーがつきてしまったのか、トランスフォーム状態は解除された。

 元の『重たい自分』に戻ったピーツは、
 自分の両手をニギニギしながら、

「うわぁ……変身が解けた瞬間の倦怠感、ハンパねぇ……」

 そこで、ピーツは、ボーレの方に振り返って、

「なあ、ボーレ、トランスフォームの魔カードって他にないの?」

 そう声をかけると、ボーレは、実につまらなそうな顔で、

「一枚しかねぇよ、あんなレアアイテム……ていうか、なんで俺は使えなくて、お前は使えるんだ……くそ……」

 ブツブツ言っているボーレと、

「マジかぁ……」

 と、嘆いているピーツ。
 どうやら、たったの一回の変身で、既に中毒になってしまったらしく、

(あの万能感と高揚感……もう一度、味わいたい……)

 『力』の虜になるピーツ。
 目の奥を燃やし、

(絶対に見つけてやる……トランスフォームの魔カードは、たぶん、他にもある……学校中をさがしまわって、必ず見つけてやる……)

 一世一代の手柄を奪われて地団太を踏んでいるボーレ。
 強大な決意を固めるピーツ、

 そんなピーツを見て、茫然としているカルシィ・ドコス・エーパの三人。
 あまりの驚愕に、最初は声も出ていなかったが、
 流石にそろそろ落ち着いてきたようで、
 おずおずと、

「さ、さっきの……とんでもない力は……いったい、なんだったんだ?」

 問われたピーツは、カルシィに視線を向けて、渾身のドヤ顔を浮かべ、

「あれが俺の、隠された秘密のシークレット・スーパーパワーですよ、カルシィ先輩」

 そこで、ボーレが、

「吹いてんじゃねぇ! 俺がみつけたレアアイテムの力だ! つまり、俺の力だ! あの古龍を倒したのは、結果、俺! いいな!」

「お前こそ、ふざけるな。確かに、あのアイテムを見つけたのはお前かもしれないが、お前、結局、使えなかったじゃないか。つまり、結果、俺の手柄! それは揺るぎない事実!」

「ふっ……ひさしぶりに……キレちまったよ……俺をここまで怒らせたおバカさんは、お前が初めてだ」

 言いながら、魔力を練りだすボーレ。
 その姿を見て、

「おいおい、やめておけ。あの古龍と同じように、消し炭にされたいのか?」

「トランスフォームはもうねぇんだよ、ばぁか。消し炭になるのはそっち――」

 と、くだらないケンカをしている二人の前に、





「特殊なアイテムを使ったとはいえ、まさか、古龍を撃退するとは……やるな、お前ら」





 教師が現れて、

「俺がガキに満点をやることはないんだが……今日だけは、ここにいる全員に満点をくれてやる。お前たちは全員、文句なく合格だ」

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