センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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37話 来世も――


 37話 来世も――

「何をしている! さっさと消えろ!」

 その命令を受けたドコスとエーパは、

「いつまでも、どこまでもバカな女だ……」
「……本当に愚かしいお嬢様だこと」

 そう言ってから、
 互いに武器を抜いて、

「……俺の命も、ここで終わりか。バカな姫様につかされて死ぬだけの命……最悪の人生だったな」
「本当に、その通りね。愚かなお姫様の隣で死ぬだけの人生……最低だわ」

 言ってから、二人は、特に呼吸を揃えたというワケでもないのに、





「「できれば、来世も、同じ人生になりますように」」





 ピッタリと揃って、そうつぶやいてから、足に力を込めた。


「バカども! 何をしている! 来るなと言っている!」


 カルシィの叫びを無視して、ドコスとエーパの二人は、古龍に突撃する。
 迷いのない特攻。

「――貴様らの魂魄はいらんが、死にたいなら殺してやる。慈悲深い我に感謝しろ――」

 古龍は容赦なく二人に襲いかかった。
 圧力だけで殺せそうな、膨大極まりないオーラ。

「くっ……き、貴様の相手は私だ! よそみをするなぁあ!」

 大量の魔力を込めて剣を振るが、
 しかし、

「――流石に強いな。深き血を継ぐものよ。人という種の限界近くまで達している――」



 ※ 言うまでもありませんが、この古龍は情弱です。
   知能が低いわけではありませんが、
   基本的には『森の奥でずっと寝ている系ドラゴン』なので、
   あまり『世界』を知りません。
   ちなみに、勇者なら、普通に、この古龍を殺せます。



「――だが、貴様の攻撃など、しょせん、痛みを覚える程度でしかない。人の身で我に抗う事はできん――」

 さほどダメージは通っていない。
 あまりにも硬すぎる。
 火力も防御力もケタ違い。

 ドコスとエーパが、カルシィを全力サポートするのだが、
 勝てる見込みはまったくなかった。

 そんな状況を見ながら、
 ボーレが言う。


「エクストラチャンス……きただろ、コレ」


 不敵な笑みで、そう言った。
 そんなボーレに、ピーツが言う。

「……おいおい、先輩。状況、見えてるか?」

 ピーツの問いかけに対し、ボーレは、不敵な笑みを強めて、

「見えているさ。全部なぁ……言っておくがなぁ、後輩。俺は、この八年間、決して、遊んでいたワケじゃない。全力で、この学校を探索しまくっていたんだ。その過程で見つけたのが、あの『開かない扉』一つだけだと思うか?」

「……」

「コレは誰にも言わなかったが……実は、見つけたものは、もう一個だけあるんだよ。第七校舎の屋上で見つけた、とっておきの秘密兵器。使用できるのは一回こっきりの消費型アイテム……今まで、何度か実技試験で使いそうになったが、グっと我慢して温存してきた……すべては、この瞬間のため……『モンスター討伐系の一発型龍試』で……最大級の成果を出すため」

「……」

「見てろ、後輩。今から俺は、俺の人生で最も輝く!」

 そう言って、ボーレはふところから、一枚の魔カードを取りだした。

「ついに、使うぞ! さあ、ショータイムだ! 『トランスフォーム』!」

 叫びながら、魔カードを天高く掲げようとするボーレ。
 だが、そこで気付く。

「ん、あれ」

 懐から取り出したはずの魔カードが、気付けば手の中からなくなっていた。

「え、え?」

 周囲を探すと、

「お、おい、お前、なんで!」

 なぜか、ピーツの手の中にあった。

「こらこら、後輩! なんだ、お前、メイン職は手品師か! てか、どのタイミングで、ショータイムはじめてんだ! 今は俺の時間なんだよ!」

 ちなみに、タネ明かしをすると、ステルス状態の携帯ドラゴンがスルっとパクってきただけ。

「かえせ! それは俺のだ!」

「返してもいいけど、これ、多分、先輩じゃ使えないぞ」

「あん?」

(これ……携帯ドラゴン用の強化パーツだな……)

 携帯ドラゴンの孵化と同時に使えるようになった『スマホ型の魔法デバイス』を召喚してスキャンしてみた結果、

(……コレは……『仮面ラ○ダーみたいに、携帯ドラゴンを変身スーツ状態にして闘えるようになる』、いわゆる変身型の魔カード……)



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