センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
29話 学内ランキング上位の天才たち。
29話 学内ランキング上位の天才たち。
冒険者でも、ハンパな者だと、致死率30パーセントをこえるであろう、ふざけた難易度の凶悪ミッション。
それが、今回実施される龍試『クア森林ピクニック』。
(こんな殺意満々の試験で、なにがピクニックだ……ナメくさりやがって……昨日までの俺だったら、100%死ねる内容だぞ)
指定の集合場所に辿り着くと、
すでに、そこには、30名近い学生が集まっていた。
みな、ビリビリとしたオーラを放っている。
ここにいるのは、ほぼ全員が、学内ランキング上位者。
ランキング一ケタ台も数人混ざっていて、彼・彼女たちは、やはり雰囲気が違った。
超越者のオーラ。
将来、世界最強国家フーマーの中枢に属する事になる天才達の覇気。
そんな中、『ピーツ以外』にも、完全に『場違いな男』が一人混じっていた。
この中では段違いにショボいオーラを放っているデブ。
――イカれた劣等生『ボーレ』は、スーパー劣等生『ピーツ』の姿を視認すると、
テクテクと寄ってきて、
「おいおい、後輩……マジできたのか……」
「逆に言いたい。先輩、あんた、マジか。よく、こんな致死率が高い試験を受けようって気になるな」
「その言葉、リボンでもつけて、そっくりそのまま投げ返してあげよう」
「そのリボンで包(くる)まれた言葉を、そのままバットで打ち返して――」
と、不毛な会話をしている途中で、
「おいおいおいおい!」
イケメン系美女が、渋い顔で、ピーツの近くまでツカツカと歩み寄ってきて、
「なにをしているんだ、ピーツ!」
「あ、どうも……」
彼女は、昨日、食堂で話しかけてきた『性根は腐っているが曲がった人間ではない女学生』――
学内ランキング5位のカルシィ。
「頭が悪いとは思っていたが、まさかここまでとは思わなかった。今すぐに帰れ。君に死なれると困る。君の成績表が買えなくなったらどうする!」
本気で嘆き悲しんでいる顔で、
「いいか、自覚しなさい。君という存在は貴重なんだ。ヤケをおこして自殺なんてとんでもない」
「別に自殺しにきたワケじゃないですが……」
と、そこで、
カルシィの後ろから、二人の男女が近づいてきて、
「カルシィ、なにしている?」
「それ、誰? 見た事がない人だけど」
その二人は、カルシィの同級生で、どちらも学内ランキング10番台の天才。
男の方は、ドコス。
女の方は、エーパ。
「彼はピーツ。私が注目している一年生だ」
「ほう。有力なのか?」
「ああ。ハンパではない。希少価値だけなら、勇者にも匹敵する」
「……へぇ。『お嬢((カルシィ))』にそこまで言わせるなんて、あなたはいったい……」
「って、ちょっと待て、カルシィ。もしかして、逆の意味でか?」
「逆などではない。まっすぐな意味だ! このピーツは、歴代最高クラスの圧倒的な『劣等生っぷり』を発揮している狂気の天才。なかなか、ここまでの無能はいないぞ」
「「……」」
顔を見合せるドコスとエーパ。
苦い顔を浮かべているドコスが、
「そんなヤツが、どうしてここに?」
「おそらく派手な自殺をしにきたのだろう。愚かな事だ。己の希少価値が分かっていない。たかが学校の勉強についていけないくらいで自殺など!」
そこで、カルシィは、
真摯な目で、ピーツの目をジっと見つめ、
「いいか、ピーツ! 君ほど『学校についていけない者』は本当に珍しいんだ! その希少価値を理解しろ! 君に救われているヤツは、きっと、私だけじゃない! たぶん、君の同級生の何人かは、君に心を救われている! 落ち込みそうになった時、辛い時、苦しい時、悲しい時、『下』をみれば君がいる! 君は、まさに太陽のような存在!」
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コメント
キャベツ太郎
無敵の力(表世界限定)は使用者によって変わるのが面白いなぁーと思うね
閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中
だいぶナメられているピーツw
ボロクソもボロクソ!
しかし、実は無敵の力をもっているピーツ!
ピーツの快進撃が、なんだか、そろそろはじまる予感!!
紅月
ボロクソ言われて可愛そwドラゴンいなかったピーツだったら心折れてそw