センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
23話 ハンパじゃないセーブデータ。
23話 ハンパじゃないセーブデータ。
『携帯ドラゴン』というスマホゲーは、
『ログインボーナス』・『お詫び』・『イベントミッション報酬』などで、
大量に石がもらえるタイプだったので、
無課金でも、まあまあの回数のガチャを引く事は出来た。
それなりにガッツリとやりこんだセンエースの『携帯ドラゴンのビルド』はなかなか豪華でスキがない。
積まれているアビリティ・外装・スキルは、大半が、
『☆9(ゴッドレア)』で、中にはいくつか、
『☆X(キラゴットレア)』も混じっている。
「くっ! ぬぅうう! いかん! こいつ、火力が高すぎる……押し込まれる!」
「きゅい!」
『無課金ランキング』の『攻撃力部門』で『最大5位』にランクインした事があるセンエースの携帯ドラゴンの火力はハンパじゃない(課金勢も含めた全体ランキングでも100位以内に入った事がある)。
圧倒的なパワーで、亜サイゾーとパラミシ・アジ・ダハーカをフルでボッコボコにする携帯ドラゴン。
「す、すげぇ……マジで、あの亜サイゾーってやつ、存在値1500の狂ったようなバケモノなのに……それを……圧倒してやがる……」
携帯ドラゴンの強化によって、スマホ型のマジックアイテム『MDモバイル』も強化されていて、『簡易プロパティアイ』に匹敵する計測機能が追加されていた。
その機能で、亜サイゾーやダハーカの力を計測してみたら、どちらも、本当に、とんでもないバケモノだった。
しかし、センエースのセーブデータがインストールされた携帯ドラゴンの力は、
そんな亜サイゾー達を圧倒している。
「つ、つよすぎ……」
素人目にも勝敗は明らかだった。
亜サイゾーも、切札的なスキルを投入しているが、
どれも、結局、携帯ドラゴンには通用しなかった。
偉大なる神がやりこんだ携帯ドラゴンのセーブデータは、ハンパな強さではなかった。
――そして、結果、
ついには、
『――【ディザスター・レイ】――』
携帯ドラゴン用の『必殺ゲロビ(攻撃力依存技)』が炸裂し、
「ぐぉおおおお!!」
「ぎぃいぎゃああああ!」
亜サイゾーとパラミシ・アジ・ダカーハは、まとめて、木っ端みじんにふっとばされた。
後に残ったのは、チリと残骸だけ。
実にあっけない最後だった。
――携帯ドラゴンの圧倒的な姿を目の当たりにしたピーツは、
「お、鬼つえぇ……龍だけど……」
などと呆けた顔で口走る。
続けて、
「これだけの力を転送するための魂魄……俺の全部が必要ってのも納得……これじゃあ、消滅してもしょうがねぇ……と思うんだけど……それで、俺はいつ消えるんだ……?」
などと、疑問に思っていると、
手の中にいた赤子が、
スッと音もなく消えた。
「……っ」
一瞬だけびっくりしたが、まだ映し出されているモニターを見てみると、
必死になって探していた母親の元に帰っていたので、
「……」
ピーツは、ホっとしたような顔になって、小さく笑みを浮かべた。
そんなピーツのもとに、
「きゅい!」
携帯ドラゴンは戻ってきて、
「きゅっ」
褒めてほしそうに、頭をさしだしてきた。
「……ありがとう。助かった……すごく強かったぞ。ちょっと強すぎて引いたくらいだ」
言いながら、携帯ドラゴンの頭をなでるピーツ。
「ほんとうに、ハンパじゃないな、お前……もしかして、世界最強なんじゃないか?」
「きゅいぃ」
頭をなでられて、気持ち良さそうな顔をしている小さな龍を見つめ、
「いや、マジで……たぶん、別格だぞ、お前……お前の力があったら、龍試も冒険者試験も余裕……どころか、悪の宰相とかいうやつもワンパンだと思うぞ……」
一応、悪の宰相『ラムド・セノワール』の情報は、ピーツの頭の中にもあった。
『ラムドが勇者を破り、その流れで、人類に宣戦布告したという話』は、世界規模のスーパー大ニュースであり、爆発的に広がっていたので、今のご時世、知らない者はあまりいない。
世界を闇色で染めるイカれ過ぎた時限爆弾ラムド・セノワール。
かなり厄介そうな相手だが、しかし、とはいえ、推定存在値は120ちょっと。
存在値1500の化け物をボコボコにした携帯ドラゴンに勝てる訳がない。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
1
-
-
39
-
-
441
-
-
149
-
-
24252
-
-
103
-
-
58
-
-
0
-
-
38
コメント
キャベツ太郎
だがしかし、D型は現在、単純な数字だけで言えば究極超神センエースを圧倒するまでに成長しているのであったw