センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
15話 亜サイゾー。
15話 亜サイゾー。
「課金か? 課金しかない感じか? よーし、じゃあ、コンビニでアイ〇ューンカードを……って、コンビニなんかあってたまるか、ボケ! 異世界ナメんな!」
適当に独りでハシャいでから、
「さて……どうしたものかな……」
などと悩んでいると、
ビービーッッ!!
と、どこからか、警戒音が響いた。
「え、え、なに、なに?! 俺、なにもしてませんよ!」
ピーツが小さくなってビクっとしていると、
「……ん?」
この空間の中央に、何やら虹色のモヤモヤがあらわれた。
そのモヤモヤは、次第に形になっていき、
最終的には、屈強な魔人の姿になった。
その魔人は、ピーツを睨みつけ、
「ここは、サイコゾーン・サンクチュアリの亜種ともいうべき、神の空間」
とうとうと、
事務的に、
「そして、私は、この『空間のAI部分』にして『携帯ドラゴンの管理人』……呼ぶ時は『亜サイゾー』でいい」
「……はぁ……そうすか……こんにちは」
「――『その携帯ドラゴンの所有者である』と『正式に認められるため』に必須なのは、私を倒すこと。ただし、私の存在値は53万。君では到底勝てない」
「……そりゃ、勝てんだろうなぁ。そんな宇宙の帝王みたいな強さを持っているヤツには」
「勝つ方法を模索してみろ。なければ死ぬ。単純な話」
言って、ゆっくりと近づいてくる亜サイゾー。
亜サイゾーの接近を受けてか、
ふいに、ピーツの頭頂部で寝ていた携帯ドラゴンが、パチっと目をさまし、
「きしゃぁ!」
飛びあがって、亜サイゾーを威嚇する。
その勇敢な姿を見たピーツは、
「おお! やる気まんまんだな! 頼もしいぞ! かわいいは正義だということを! そして、正義は勝つということを教えてやれ!」
携帯ドラゴンは、
「きゅい!!」
意気揚々と、
亜サイゾーに突っ込んでいった。
そして、
「うるさい」
ペシンと弾かれて、
「……きゅいぃ……」
情けない声を出しながら戻ってきて、
ピーツの頭の上で丸くなり、粛々と回復に精を出し始めた。
「なにしに行ったんだ、お前! どっかのギャグ担当アフロみたいなやられ方しやがって! ていうか、めちゃくちゃ、よわいな、おい! いや、初期状態でフ○ーザ様に勝てって方が無茶だけれども!」
「言うまでもないが、逃げ道はない。私を倒す方法を必死になって考えろ。そうでなければお前は死ぬ」
「考えろっつったって! どうしろってんだ?! 俺は、ランク1魔法の一つも使えない、フーマー大学校の劣等生だぞ! へたしたら、銃を持っていないオッサンより弱いかもしれないドストレートなカス野郎だぞ! いくら考えたところで、悪のカリスマに勝てる訳ないだろ!」
「お前の事情に興味はない。私を倒せば、貴様は、その携帯ドラゴンの正式な親になる。私に勝てなければここで死ぬ。それだけの話だ」
「ふざけんじゃねぇぞ、ちくしょう! せっかく、念願だった異世界にこられたってのに、こんな初日の夕方にサクっと死ぬなんて……冗談じゃねぇ!」
そこで、ピーツは、頭をかきむしりながら、
「なにか! 方法! いや、方法っつってもなぁ! アイテムも何もねぇし! スキルはゼロだし! うぉおおお! 完全に詰んでるぅうう!」
「喚くだけではなく、行動をおこせ。そして、見事、私を倒してみせろ」
「ムチャ言いやがって……お前、できんのか? 俺のスペックで、お前に勝てんのか? 自分にできないことを人にやれってのは、そりゃ、理不尽ってなもので……ん、ちょっと待てよ」
そこで、ピーツは思う。
「もしかして、携帯ドラゴンが異常に弱いだけで……あの亜サイゾーってやつも、本当は別に『そこまで強くない』って可能性も……」
ピンと閃く。
打開策というより視点の変更。
「そうだよな……存在値53万なんてありえねぇもんな……完全にハッタリ……つまり、これは『その部分に気付けるかどうか』という単純なテスト! そうだろ?!」
「どう思おうと自由。私を倒せば、貴様は、その携帯ドラゴンの正式な親になる。私に勝てなければここで死ぬ。それだけの話だ」
「ゲームキャラみてぇに、同じことを連呼しやがって……ハリボテ野郎が……」
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
29
-
-
93
-
-
36
-
-
39
-
-
4
-
-
381
-
-
111
-
-
149
-
-
11128
コメント
キャベツ太郎
この回は、ドラゴン◯ボールネタ多かったなww
銃を持ったおっさん(戦闘力5)とかフリ◯ザとか