センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
11話 ガッ
11話 ガッ
その文字盤には、こう書かれていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1 :仕様書不明さん :00/00/00 00:17
 ∧__∧ **
( ´∀`)< ぬるぽ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それ見たピーツは、つい反射的に、
その文字盤を殴りながら、
「……ガッ」
そう呟いてしまった。
「ピーツ?! ちょっ、おい、どうした、急に! 情緒不安定か?!」
ピーツの奇行にびっくりして、そう叫ぶボーレ。
しかし、そこで、ピンポーンと音がして、
グゴゴゴゴと大きな音をたてて扉が開いた。
「……ナメてんなぁ」
ボソっとそうつぶやいたピーツに、
ボーレは、
「いくら、暗号の難易度が高いからってヤケをおこすな。俺もさっきは大分動揺してしまったワケだが、お前の奇行を見て逆に冷静になれたよ。うん、逆によかった。慌てる後輩、なだめる先輩。俺達は意外と良いコンビかもしれない。よし、というわけで、まずは、この暗号を解くためのヒントがないか探してみよう」
「……は?」
「ん、どうした?」
「扉なら開いただろ」
「……ピーツ後輩。ほんとうに、どうした、大丈夫か?」
ガチで心配そうな顔をしているボーレ。
そこに違和感を覚えたピーツは、
「一個、質問をする。ちゃんと答えてくれ、ボーレ先輩」
「お、おう……どうした、ピーツ後輩」
「今、扉は、しまっている。そうだな?」
「まあ、そうだな。開いていたら、とっくに中へと入っているワケだからなぁ」
「……」
そこで、ピーツは扉に視線を向けてみた。
(間違いなく開いている……)
扉は開いていて、
中から淡い光が漏れている。
光が邪魔で、奥は見えなかったが、確かに……
(……まさか、『開いたように見えている』のは俺だけか? なんだ、それ……どういう状況だ……)
数秒、考えてみて、
(もしかして、暗号を解いた者しか『中に入る事が出来ない』のはもちろん、『扉が開いたと感じる事』さえもできない、とか? ……うーむ……)
「妙な事を言っていないで、お前もヒントを探せよ」
そう言って、ボーレは、この空間のあちこちを探しだす。
その背中を横目に、
ピーツは、
(……行ってみるか……)
心の中でボソっとそう呟いてから、
「ふぅ~」
と、一度深呼吸をして、
扉の奥へと足を踏み進めた。
慎重に、おそるおそる、まっすぐに、
先の見えない奥へ、奥へと進んでいく。
淡い光に包まれた謎の通路。
『光っている』という事以外、なにも認識できない妙な道。
そんな通路を10秒ほどまっすぐ進むと、そこで、
「……ん」
光が落ちついている空間があった。
先ほどの『扉があった空間』よりもさらに大きい。
そして、その空間のど真ん中には『精巧な装飾が施されている台座』があって、
その台座には、なにやら、卵のようなものが置いてあった。
ハンドボールくらいのサイズで、色は真っ白。
「……なにもかもが珍妙だねぇ……」
周囲をうかがいながら、ピーツは、その台座の方へ、まっすぐに歩を進める。
そして、台座の前までくると、
「金銀財宝でも、アイテムでもなく……『卵』、ねぇ……うーむ……」
どうしたものかと、一瞬だけ悩んだが、
「まあ、とりあえず……」
ボソっとそう言いながら、その卵を手にとってみた。
軽い。
まるで、中身なんてないみたい。
と、
その直後、
バタァン!
と、扉がしまる音が響いた。
「?!」
驚いて振り返ると、扉に続いていた『淡い光の道』がなくなっていた。
「ちょ……ええ……」
戸惑っていると、
今度は、ピキピキっと音がして、
「おいおい……次から次へと……」
卵が割れて、中から――
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