センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

Z話 これからの道。


 Z話 これからの道。


バロール「主は、それまでの尊き神生の中で、ずっと、弱き命を守るため、その体を盾にして、ボロボロになって闘ってこられた! 鮮血時代では、人類すべてに課せられた最大の試練を、たったの御一人で背負われた! バグとの闘いでは、全ての命を守ろうと、たった一人で最前線に立ち、世界樹の劇薬で全身グチャグチャのズタズタになりながら、それでも、最後の最後まで、弱き命の盾になってくださった!」

 バロールは、息を継ぐこともなく、

バロール「クソ以下のバカどもから『いいかげん、殺してくれ』『いつまでかかっているんだ』などというイカれた雑言をなげかけられていながら! それでも、主は折れることなく、『弱き命』のために闘い続けた! 愚神との闘いでもそうだ! 主は! ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっとぉお! 弱き命のために、その何より尊き命を前線で晒し続けたぁあ! 主とは、そういう御方なのだ!」

 魂の叫び、その熱量はとどまることを知らず、

バロール「もし、私という弱き命が目の前で壊れかけたら、主は、迷いなく、私の盾になるだろう! もちろん、私は拒む! 主の邪魔になどなりたくない! だが、主は、私を守るだろう! そういう御方だからぁあああ!」

カティ「……」

バロール「わかるか! 私なんぞが側にいても、とんでもない足手まといになるだけ! まったく、まったく、想像するだけで自殺したくなる! 主の御力になるどころか、ただ全力で足を引っ張るだけ! それが、今の我々の現実なんだ! そのリアルをちゃんと自覚しろ!」

カティ「……っ」

バロール「アダム殿と終理殿下以外の誰にも! 神の側仕えの役目ははたせない! 現時点での我々には、あまりにも力がなさすぎる! 私達が側にいても、主からすれば、厄介なハンデにしかならないのだ!」

サトロワス「また、脱線しているねぇ。主の輝きに魅入られて、冷静でいられないのは分かるけども、これではちっとも話が進まない」

ジャミ「いったん、落ちつこう。まず、アダム殿と終理殿下以外の誰にも不可能というのは己を卑下しすぎだ。主の偉大さを讃えるのと、自分を貶めるのは決してイコールではない。そこを勘違いしてはいけない。我々は、主の配下。主の意思を継ぐ大いなる光――ゼノリカの一員なのだ。その誇りを忘れる事は許さない」

バロール「べつに己を卑下などしていない! 私は、『自分の立場と力』を心の底から誇りに思っている! 必死になって積み上げてきたこの力は、世界を照らす光の一つになれると信じている! 私はただ『出来る事と出来ない事』の仕分けをする必要があると言っているまでに過ぎない! というか、逆に聞くが、お前は、アダム殿や終理殿下と同じ領域まで辿りつけると本気で思っているのか? 見ただろう。あの輝くような武を。とにかく別格! 次元が違う!」

テリーヌ「……『出来ない事』を数えるのは、いったんやめない? 意味がないわ」

 そこで、ミシャが、
 場を整えるように、コンっと音をたてながら、人指し指を円卓に置いて、

ミシャ「マリスの意見は? 今は、九華全員の意見を聞いておきたいのだけれど?」

 そこで、マリスが、少しだけ逡巡してから、
 ゆっくりと口を開いた。

マリス「……今まで、言った事はありませんが……私、実は、聖典が大好きで、子供の頃から、何度となく読み返しています」

 マリスは、聖典を信じていなかったが、聖典という『物語』は大好きだった。
 その熱は、実のところ、バロール以上であり、マニアの領域に達しているレベル。

ミシャ「あ……そう。ぇと、それが、なに?」

マリス「……私は、聖典に書かれている主の行動や言葉を、すべて、一言一句たりとも間違わずに諳(そら)んじる事ができます」

バロール「だから、それが何だと、ミシャンド/ラ陛下はお尋ねになられている。結論を言え、結論を」

マリス「……もし、主がここにおられたら、きっとこう言うでしょう。『私の背中は、道標たりえないか?』と」


 その言葉を受けて、

「「「「「「「「……」」」」」」」」

 その場にいる全員が黙った。


マリス「……『囚われるなとは言わない。だが、囚われ方を間違えるな』とも、おっしゃられるかもしれません」


バロール「まるで、主を理解しているかのような口ぶりだな」

マリス「……理解しているのではない。理解したいと願っているのだ。それは悪いことなのか、バロール」

バロール「……」

 マリスは無口な男だが、それは、自己主張が苦手だからではなく、
 むしろ、頑固過ぎるほど強く『自分』を持っているからこその寡黙。
 空気が読めるマイペースで、強く自分を持っている孤高のニンジャ。
 それが、九華の第七席ディマイズ・マリス。

 と、そこで、
 平熱マンが、

平「九華の意見は、だいたい理解しました。バラバラに見えましたが、実際のところ、意見は一つだったように思います」

ゾメガ「そうじゃな。ようするに、ここにいる誰もが、師に尽くしたいと心から願っている。それだけのことじゃ」

ミシャ「代表して、天上の意見をまとめるわ。ゾメガ、平、いい?」

平「お願いします」

 ゾメガも黙って頷いた。

ミシャ「第一、これまで以上に、強さの底上げに精を出すこと。第二、D型について調査を進めていく事。第三――」


コメント

  • キャベツ太郎

    そういうことですか。
    把握です

    1
  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    小説家になろうの方にもきてくださって、ありがとうございます!
    こちらには、なろうで誤字脱字報告を受けてから投稿するようにしています!

    恥ずかしい話ですが、私は、頻繁に誤字ってしまうのでw
    今日の7時に出す予定の話でも、しっかりと脱字をしていましたw

    0
  • キャベツ太郎

    今滅茶苦茶久しぶりに、なろうの方を確認したら一話先いってる?

    1
  • キャベツ太郎

    もし直接表に出て戦闘するのであれば次又はそのまた次辺りにバロールが一皮か二皮剥けそう

    1
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