センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
93話 『全ての絶望』を絶望させるエンジン。
93話 『全ての絶望』を絶望させるエンジン。
(シューリ以上のオーラを持つ未知のバケモノ……そ、そんなアホな……この世で、シューリより強い神は、センエースとソンキーだけ。それがこの世界の摂理……揺るがない真理……な、なのに……いったい、どういう……ん? この特異なオーラ……強い歪み……尖った逆霊気……)
そこで、P1は、
ハっとして、
(まさか、あの女、アポロギスかっ?!)
理解に届く。
(ぁ、あまりに姿が変わり過ぎていて、わからなかった……てか、んなアホなっ……どうしてアポロギスが……センエースによって消滅させられたはず……)
究極超邪神アポロギス。
ケタ違いの存在値と圧倒的な戦闘力で、
かつて、神々を震え上がらせた邪神の中の邪神。
(どうして、アポロギスが……ぃ、いや、理由はどうでもいい。今、考えても分からないことだし、理由が分かったからって、目の前の現実はどうにもならん……)
本質に対して意識を向けようと、
(だ、大事なことは、これから、俺は、シューリとアポロギスの両方を飛ばさないと、ラスボスのセンエースまで届かないってこと……ひ、ひどすぎる……ムリゲーすぎるだろ……持つわけねぇ……)
絶望した。
(なんでこんな事になる……まさか、一連の不明な事態は、ぜんぶ、アポロギスというイレギュラーが原因か? さ、最悪……どうして……ぁ、いや、違う! だから! 事態を嘆いたって解決はしねぇ! ……ど、どうにかしないと……この絶望……このピンチ……どうにかして……どうにか……どうにか……いや……どうにもならねぇ……こんな絶望……覆せねぇ……無理だ……あまりにも、不条理すぎる……)
己の不運を嘆いた。
絶望に包まれた。
未来が真っ黒になる。
目の前の全てが閉じていく。
――すると、
(ん? なんだ……ぉ、おお……っ)
心が燃えた。
魂が活性化する。
全てが沸騰する。
血が沸いて、芯が躍動する!
果てなく膨れ上がっていく!
「すげぇ……こ、これほどの絶望下だってのに……湧き上がってくる! 勇気! 活力! 闘志! これがセンエース!」
ドクンと脈打つたびに、意識がハッキリとしてくる。
呼吸するだけで、全身が、黄金の炎で包まれたように感じる。
『ここからが本番だ』『やってやる』――と、
全身の『細胞すべて』が喚いている!
密度を増した核が、鳴動しているのが分かる!
「ほんと、すっげぇな、センエースってのはよぉ! パメラノの言うとおりだ。俺は間違っていた。『センエースである』という事が、『無限転生』も『異常成長倍率』もかすむ、何よりのチートだ!」
P型センエース1号は、前を向く。
絶望を飲み込んで、
より強大になっていく。
(相手は二人。単騎でも厄介な女神が二柱。絶望的。絶対的なピンチ)
認識する。
状況を整理する。
『深き絶望』の認識・整理がすすむたびに、
P型センエース1号のオーラは増していく!
(……つまり、ココこそが、俺のホーム!)
心の底からそう思えた!
全身にオーラを充満させて、
P型センエース1号は叫ぶ!
「こえてやる! 全部! 全部! 全部! 折れてやらねぇ! 降りる気はねぇ! 全部、のりこえて、俺は、俺を超えていく! そして! 俺はセンエースになる!!」
その叫びを受けて、
「極端に存在値が跳ねあがりまちたねぇ……なるほど、聞いていた通り。とんでもないチートスペック……けど、まあ……」
突撃してきたP型センエース1号に、
「その程度だと、オイちゃんの相手はできまちぇんね」
顔面カウンターをいれながら、シューリはボソっとそう言った。
バキリとヘシ折れる音が空間を響かせた。
けれど、
「ぐぬぅう! ――ま、負けるかぁああああ!」
ヘシ折られた鼻の事などシカトして、
P型センエース1号は、果敢に、シューリへと殴りかかる!
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
2265
-
-
337
-
-
238
-
-
4
-
-
15254
-
-
1978
-
-
37
-
-
353
-
-
125
コメント