センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
81話 リミッター解除。
81話 リミッター解除。
爆発的にオーラを上昇させたミシャ。
それを見たP型センエース1号は、
もう一度、めんどうくさそうに溜息をついて、
「リミッターの外し方を覚えたか。はいはい、すごい、すごい」
なおざりの拍手をしてから、
「けど、俺だって出来るんだよ、その程度のちょっとした強化技は」
言ってから、全身にオーラと魔力を充満させていく。
その後、ガッっと一気に存在値を上げる。
『かなりの無理を体に強いる技なので、短時間しか使用できない』という、
ぶっちゃけ、あまりコスパのよろしくない技。
上位の覚醒技を覚えるとリストラされる微妙強化系。
「ミシャンド/ラ。……ちょっとした端役(はやく)でしかないくせに、主役を気取って、一丁前の顔すんな。主役は既に、ここにいる。脇役は黙って寝てろ。不快だ」
言葉と覇気で、ミシャを折ろうとするP型センエース1号。
なんだか、もはや、意地になってきていた。
『力』ではなく『己の存在だけ』で、ミシャを砕こうとしている。
そうでなければ『意味がない』とすら思い始めている。
ミシャを折ろうと、必死に覇気を練るP型センエース1号。
――だが、
「私はゼノリカを支える三至天帝の一柱、邪幻至天帝ミシャンド/ラ! 貴様如きに砕かれるほどヤワじゃない!」
そう叫んで、ミシャは、
全身に溜めたオーラと魔力を、
その両手に集中させる。
掲げた両手に想いを込めて、
そして、
「――閃光斜影のキルクルス――」
尋常ではなく重たい魂魄を乗せた強大な一撃を放った。
深き死の電流をまとった極邪の波動がP1を襲う。
強大なエネルギーの奔流。
己の『天極邪気』を限界以上に昇華させた、渾身の一撃。
それを受けたP1は、
「ぬっ……げっ……ぐぅう――」
思わず呻き声をあげてしまった。
昇華されたミシャの邪は、P型センエース1号の魂魄に『歪んだ傷』をつける。
P1の体表で、死の電流がバチバチと音をたてた。
直後、P1の全身を襲う重度の倦怠感――
「ちぃ……余力を全部ぶつけてきたか……俺はゴミ箱じゃねぇっての……」
気力を減らさぬよう、テキトーな事を口走ってから、
「つぅか、どいつもこいつも、聞いてねぇ自己紹介しやがって……ウザすぎるぜ……てか、なんだ、これ。どういうデバフだ……知らんぞ、こんな技……ぁあ、重てぇ……暗ぇ……これは……まさか、お前の闇……お前が背負ってきた重荷か……」
ミシャンド/ラは、『産まれただけ』で『多くの命』を奪った。
産声を上げただけで、邪神と呼ばれた。
神々からも忌み嫌われ、
全ての命から拒絶された。
そんな彼女が背負っている荷物。
1ミリも冗談ではすまない命のハンデ。
「気持ちの悪いもん、ぶつけてきやがって……ほんとうに、お前は嫌がらせの達人だな」
その一部を押しつけられたP型センエースは、心底から不愉快そうに、
精気を集中させて、払いのけようとする。
そんなP型センエースの姿を見て、
ミシャは言う。
「その重荷、セン様は背負ってくれたぞ……私ごとおぶってくれたんだ……その果てなき尊さで、私の邪を丸ごと飲み込んでくれた。わかるか、その覚悟が……貴様ごときに……わかるか……っ」
「知るかよ。どうでもいい……お前の面倒を背負ったら偉いのか? そうじゃねぇだろ。つぅか、お前、なに自慢げに『自分がいかにセンエースの御荷物か』を熱弁してんだ。バカじゃねぇの?」
そこで、P型センエース1号は、目に込めた力を強くして、
「俺は、お前の面倒を背負っていない……だから、その分、俺はセンエースよりも軽い。重りがないぶん、はやく動ける。それだけなんだよ」
コメント
キャベツ太郎
お願いします!!
やっぱり、自分は辛抱強く無いので貯蓄する案は取り止めますw
閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中
名言と言っていただけたこと、すごくうれしいです!
いつも、いつも、ほんとうにありがとう!!
この作品を読むために人生生きているとまで言われてしまうと、
これは、もう、いっさい手がぬけませんねw
いままでも、別に手を抜いていたわけではありませんが、より気がひきしまりました!
この先も、「楽しい作品だ」と思い続けてもらえるよう、まだまだ、まだまだがんばりますよーw